前話の続きは白鵬の張り手。
得意の張り差しは場所中茶飯事ながら
あれほど強烈なのは見た記憶がない。
おい、おい、白鵬、アンタは人が変わっちゃったのかい?
正代もさぞブッタマげたことだろう。
しかしアレには伏線があったのだと思う。
それは2日目、十両の取り組み、炎鵬―貴源治戦である。
立ち合い間もなく貴の繰り出したアッパーカットの張り手。
アレはパーじゃなくて半分グーじゃなかったかい?
土俵際両者もつれて取り直しとなったものの、
炎のダメージは深く、土俵に上がれずの不戦敗。
しかし、あんなに凶暴なほとんど反則攻撃は初めて見た。
中継するNHKは土俵際を繰り返し映すばかりで
肝心の暴力シーンを一度も再生しない。
何か局側の作為が感じられ、
NHKふれあいセンターにクレームの電話を入れた。
それなりの事情はあったようだが
同様の電話が何本かあったことを白状してくれた。
お次は相撲協会である。
受話器を取った方はご指摘の件は承った、上部に報告します、
とのことだったが、その後どうなったか判らない。
そして3本目を貴が所属する常盤山部屋に入れると
留守番電話になっており、メッセージを残すにとどまる。
貴源治は今年初場所にも美ノ海(ちゅらのうみ)に
悪質な張り手を繰り出し、翌日から休場に追い込んでいる。
ほかにも弟弟子たちへのハラスメントがいくたび。
挙句の果てに今回の大麻使用と来たもんだ。
師匠の常盤山はもちろん、理事長はじめ協会も
あんなのを放し飼いにしておいて、重大な責任が問われる。
かようなケダモノは二度と土俵に上がれまい。
いや、上がらせてはなるまい。
と、憤るJ.C.ながら、常々思っているのは角界の厳しさ。
例を挙げればキリがないが直近では朝乃山。
外出そのものより最初に行動を否定した嘘が重罪とのこと。
たった一度の嘘で番付はどこまで落ちていくのやら。
ふり返って厚顔無恥の安倍乃山を見てごらんヨ。
国会という名の土俵の上で
ヤツは数限りない嘘をつき続けたにもかかわらず、
何のとがめも受けていない。
一方、スポーツ界でもっとも
選手寿命の短い力士はがんじがらめ。
とてもじゃないが子どもたちに将来、
相撲取りなんざ、すすめられやしないぜ。
サッカー、野球、バスケあたりでいいんじゃないの?
ええ、よい子のみなさん!
話を元に戻そう。
白鵬が正代、照ノ富士に見舞った張り手。
貴源治には部外者のJ.C.ですらブチ切れたくらいだから
可愛い弟弟子を傷めつけられた、
白鵬の怒りはいかばかりだったか、想像に難くない。
張り手という“武器”がいったいどこまで許されるのか。
あんなアッパーカットが見過ごされるなら
横綱といえども俺の張り手は可愛いものヨ。
そこに目を向けさせることが振る舞いの一因だったと思う。
いや、語っても語っても語りつくせない、以下次話で―。
=つづく=