2021年7月14日水曜日

第2697話 飲める日も 残り少なく 西銀座

のみとも・半チャンがマニラから帰って来た。

何でも成田空港着後 健康チェックシートやら

誓約書やら 厚労省肝煎りアプリ4種やら

検査やらで、ホテル着は4時間後の由。

ホテルまでのバスは外が見えない護送車並みだそうだ。

 

東横イン成田空港から一歩も出られず、

酒もダメなので持ち込みのみ。

ホテルに3日、その後自宅で自主隔離の予定。

3食付き無料で泊まれるから文句は無いとのたまう。

 

4回目の緊事宣が発令される数日前、

残り少ない日数を胸に一献傾ける手はずとなった。

二次会は銀座で行きつけのスナックを貸切ると

相方の鼻息が荒い。

 

半月前に鮎の天丼を食べた「泰明庵」で落ち合った。

あのときは禁酒令下にあり、

文字通り、お茶でお茶を濁したのだった。

 

呑ン兵衛が集まる2階へ上がる。

冷えたビールを注ぎ合い、無事なる帰国に乾杯。

マミツは肝付きの皮はぎ薄造りだ。

この日本そば屋は刺身の品揃えが実に豊富。

まぐろ・かつおはもとより、白身が多彩で

まはた・あずきはた・ひらめなどが並ぶ。

 

ところがいきなり皮はぎで外した。

鮮度落ちのため、身肉に弾力がない。

イケなかったのは生臭みを生じ始めた肝。

「泰明庵」でこんなことは初めてだ。

 

相方、そば焼酎そば湯割り、

当方、冷たい八海山にそれぞれチェンジ。

帆立と桜海老、2種類のかき揚げを追加する。

清酒のグラスが小ぶりだから、すぐカラになる。

雪中梅に切り替え、立て続けに3杯。

 

あっという間に時間は流れ去り、

西銀座のラビリンスに移動した。

地下に降りるとスナックよりバーラウンジの雰囲気だ。

二人だけの貸切りにママのほか、

女の子が3人も侍ってるじゃんか、ここは大奥か?

 

店の名前が父君の持ち馬と同名だったことから

付き合いが始まったそうだが、何を隠そう、

牡馬の六大競走において三冠を制した名馬なのだ。

いえ、馬名だけは伏せときますがネ。

 

いやはや、とにかくよく飲んだ。

サントリー白州のハイボールを5~6杯かな?

歌もよく歌ったが何曲だったか、まるで記憶ナシ。

 

店の子を引き連れ、近所の隠れ家バーへハシゴ。

二人のオッサンは深く静かに潜行し、

更けゆく銀座の夜に身をまかせたのでした。

 

「泰明庵」

 東京都中央区銀座6-3-14

 03-3571-0840