行く先も決めず地下鉄に乗った。
大手町で降りて東西線に乗り換える。
どっちの方向でも先に来た電車に乗るつもり。
こういう芸当は島式ホームならではで相対式はムリ。
入線してきた中野行きに乗車。
狙いは神楽坂か高田馬場だが
馬場は歩いていて面白くない、よって神楽坂。
坂道をぶらぶらと降りてゆく。
立ち止まったのは「PAUL」の店先。
1889年にフランス北部、ベルギー国境に近い
リールで創業したブーランジェリーは
日本でも北は札幌から南は博多まで展開している。
ちなみにフランスの第18代大統領、
シャルル・ド・ゴールはリールの出身だ。
目をとらえたのはランチメニューにあった、
フェットゥチーネ・ボロネーズ。
挽き肉をそれほど好まぬJ.C.だが
ボロネーゼ&ミートソースは好きだ。
普段入らぬタイプの店舗ながら食べたくなった。
すっきりとしたレイアウトにくつろぐ客の大半は
やはり女性、そう、街に花咲く乙女たち。
しかしながら、カトレアのように派手なひとも
鈴蘭のように愛らしいひともいない。
ましてや、忘れな草の花に似て
気弱でさみしい眼をした子など、いるはずもない。
アールグレイのアイスティーとのセットを通した。
パンが4種もきたので有料のバターをお願い。
メインのフェットゥチーネはやたらにソースがゆるい。
挽き肉が散見されるものの、
ナス&トマトが主役を張っている。
挽き肉は片隅に追いやられ、気弱でさみしい眼をしていた。
女性はこういうのを好むんだろうネ。
オッサンには合わないなァ。
本場ボローニャで食べたボロニェーゼとは
似ても似つかない料理が皿上に君臨していた。
ハッキリ言ってボロ似ェーゼだヨ、コレは―。
ブーランジェリーだからさすがにパンは上々。
クルミ、イチヂク&クルミ、2色(緑&黒)のオリーヴは
何とか食べたが4種めのカンパーニュで手が止まる。
ガムシロだけのアールグレイを
ストローを使わずに飲み干し、会計は1430円。
ビールを飲まないと実に安上がりだ。
神楽坂下まで来ると汗ばんできた。
汗かきついでだ、ずんずん歩いて行こう。
心に決めたものの、早くも後楽園にて心変わり。
「成城石井」で晩酌用の小ジャレたマミツを調達し、
ラクーアから乗り込んだのは
文京区のコミュニティバス、B―ぐるでした。
「PAUL 神楽坂店」
東京都新宿区神楽坂5-1-4
03-6280-7723