2021年7月26日月曜日

第2705話 横綱・白鵬 アンタはエラい!(その4)

連日オリンピックの熱戦が続くなか、

大相撲を引きずっていますが今日でおしまいにします。

 

さて両雄、相並んだ千秋楽は結びの直後、

解説の舞の海が暴言を吐きやがった。

「そこまでして勝ちたいか!」

おい、おい、ほざくんじゃないヨ。

罰当たりのとっちゃん坊やがっ!

 

どんぐりの背比べみたいに魅力なき相撲界を

長年に渡り、誰がけん引して来たと思ってるんだい。

角界の救世主に対してもっと敬意を払いなさいヨ。

テクニカルな解説に秀でているのは認めてやる。

まっ、秀平だからさもありなん。

 

だけどネ、人として未成熟なため、

何かしゃべっても深みがないし、コク味にも欠ける。

ん? 横綱には様式美が必要ってか?

 

舞スケよぉ、いい加減によぉ、

男なら男らしく、女なら女らしく、

横綱なら横綱らしく、もうこういうのやめようぜ。

「ぶらり途中下車の旅」なんかに出るヒマあったら

日々、おのれの研さんに励めよぉ。

 

では白鵬はなぜ、批判を承知で波風を立てるのだろうか?

あれは静かな水面に小石を投げ込んでいるんだ。

相撲界の古き悪しきしきたりに挑むため、

注文相撲を仕掛けているんだ。

古池に飛び込む一匹の蛙(かわず)よろしく、独りきりで―。

かつて物議をかもした優勝インタビュー後の

万歳三唱&三本締め、みなその流れなんだ。

 

白鵬よ、アンタはエラい!

昔、自民党をぶっ壊す! 

そう叫んだ変人がいたが、総裁、首相に上り詰めた。

史上最大の横綱になって久しいアンタにお願いしたい。

 

土俵を去る前に思う存分、相撲界をぶっ壊しておくれ。

そして多くの凡人の目を覚ましてやっておくれ。

このことこそが戦い続ける男、

軍人・白鵬のファイナル・ミッションと心しておくれ。

角界に今、必要なのはダイバーシティなんだ。

 

かくいう、J.C.も4年前。

初場所千秋楽の白鵬―稀勢の里戦では

稀勢に声援を送っていたんだ。

それが次第に白鵬の相撲だけでなく、

人柄にも魅了されるようになっていった。

 

白鵬には心からお礼を言いたい。

3月11日の誕生日に感じ入るところ大きく、

震災後はずっと、被災地への復興支援に

力を注いでくれている。

この功績において角界に右に出る者など居やしない。 

本当に、本当に、ありがとう。

 

=おしまい=