2022年2月17日木曜日

第2953話 とんかつ VS ポークソテー (その2)

文京区・千駄木2丁目の新顔、

「とんかつ三矢」は山口県・防府市からの東京進出。

本店は幹線道路沿いのドライブインみたいな大箱で

「高級とんかつ三矢」を名乗る。

 

これにはJ.C.、ちょいとばかり引っかかりやした。

“高級”なんて自称するかネ、下品だなァ。

例えクラスは“上”だとしても

品は“下“なんじゃあないのかえ?

いずれにしろ、

東京店に“高級”の2文字は見えなかった。

 

これを山口と東京の違いと言ったら

山口の人に叱られる。

だけど、何たってポチの地元だからねェ。

やっぱり叱られるか―。

 

ドライの中瓶を飲みながらメニューをめくる。

使用する豚肉は

秋田県・小坂町産十和田湖高原ポーク桃豚。

無菌のSPF豚である。

無菌だから芯まで火を通さずに済み、

ミディアムレア仕上げが可能となるのだ。

 

とんかつ&ポークソテーの二刀流を

高々と謳い上げるわりには

ポークソテーの揃えが甘い。

平日限定ランチ(1300円)のほかは

グランドメニューの1種(1500円)のみ。

しかも両者の違いはサイズだけだ。

たとえソースの二択があるにせよ、さびしい。

 

それに比べてとんかつは華やか。

ロース・上ロース・極上ロース・リブロース・

ヒレに加えて上ヒレのシャトンブリアンまである。

全メニュー中、上ロースだけが赤く染まっていた。

店サイドの一推しなのだろう。

 

ポークソテーがジュウジュウジュウジュウと

音を立てて運ばれ来た。

シズリングプレートである。

油がはねてこないよう、

テーブルの向こう側に打っちゃり、しばし待つ。

豚クンに熱が通り過ぎないかな?

なあんて心配しながらネ。

 

ランチセットの陣容はガルニが

ほうれん草・にんじん・ポテトの黄金トリオ。

そして具だくさんの豚汁、キャベツもみ、ライス。

ライス少なめ、あるいは半分で

お願いしなかったのは初回につき、

デフォの分量を確認するためだが

現物は茶碗に山盛りであった。

 

=つづく=