てなこって大田区では
蒲田と一、二を争う繁華街、大森に到達。
何たって大田区の“大田”は大森の“大”と
蒲田の“田”の合体版だからネ。
蒲田ほどではないが大森もまた、
俗人街の一面を垣間見せる街である。
駅西側の山王エリアは高級住宅街。
南馬込に隣接して旧文士村の一部でもある。
その山王の「大連」に入った。
中国家庭料理を謳うものの、名物は餃子だ。
ドライの中ジョッキを飲みながら待つと、
運ばれた1皿は7カンもあった。
さしたる餃子好きでもないのに
時として注文するのは焼売同様に軽食だから。
まっ、7個じゃ軽食とは言えないか―。
麺類・飯類を取ったらそれだけで腹一杯。
かといって八宝菜・回鍋肉・青椒肉糸など
一品料理を一人で食べ続けるのは苦しい。
蒲田には羽根付き餃子の人気店が何軒かあるが
大森「大連」の餃子には羽根というより
網が張り巡らされていた。
フェザーではなくネットである。
餡の発酵が進み、漬物に例えると古漬に近い。
もっと浅ければ、好みにピッタリなんだが―。
ジョッキをお替わりして、お勘定は1460円也。
帰るにはまだ早い。
大森に来て地獄谷のスルーはできない。
谷に降りた。
開いてる店、閉じてる店が半々くらい。
エエ~ッ、こんなところに「vivo」が!
グループ最古の中野本店、最新の築地市場店を
訪れたばかりの「vivo daily stand」である。
何度も通っていながら今まで気づかなかった。
いや、ガラス張りだから存在どころか、
店内の様子もチラッとのぞいたことさえある。
vivoは店名の表記が控えめすぎなんだヨ。
これじゃ気づかんのも無理はないサ。
入店してワンオペのニイさんに訊ねたら
8年前にオープンとのこと。
谷に出入りし始めたのは5年前。
その当時から在ったんだネ。
黒ラベルの生2杯、スペインのシェリーと
チリのピノ・ノワールを1杯づつ。
デリはズワイガニのキッシュ1ピース。
たくさん飲むけど、あんまり食べない、
わがライフスタイルにピッタリの店だ。
グループは都内に32店もあるので
全店制覇するつもりは毛頭ないが
利用頻度は間違いなく上がるだろう。
さっ、地獄から脱出してそろそろ帰ろっと―。
「大連」
東京都大田区山王1-25-14
03-3776-7944
「vivo daily stand 大森店」
東京都大田区山王2-2-15
03-6303-8327