2022年2月3日木曜日

第2943話 文士村から俗人街へ (その2)

てなこって大田区では

蒲田と一、二を争う繁華街、大森に到達。

何たって大田区の“大田”は大森の“大”と

蒲田の“田”の合体版だからネ。

蒲田ほどではないが大森もまた、

俗人街の一面を垣間見せる街である。

 

駅西側の山王エリアは高級住宅街。

南馬込に隣接して旧文士村の一部でもある。

その山王の「大連」に入った。

中国家庭料理を謳うものの、名物は餃子だ。

 

ドライの中ジョッキを飲みながら待つと、

運ばれた1皿は7カンもあった。

さしたる餃子好きでもないのに

時として注文するのは焼売同様に軽食だから。

まっ、7個じゃ軽食とは言えないか―。

 

麺類・飯類を取ったらそれだけで腹一杯。

かといって八宝菜・回鍋肉・青椒肉糸など

一品料理を一人で食べ続けるのは苦しい。

 

蒲田には羽根付き餃子の人気店が何軒かあるが

大森「大連」の餃子には羽根というより

網が張り巡らされていた。

フェザーではなくネットである。

餡の発酵が進み、漬物に例えると古漬に近い。

もっと浅ければ、好みにピッタリなんだが―。

ジョッキをお替わりして、お勘定は1460円也。

 

帰るにはまだ早い。

大森に来て地獄谷のスルーはできない。

谷に降りた。

開いてる店、閉じてる店が半々くらい。

エエ~ッ、こんなところに「vivo」が!

グループ最古の中野本店、最新の築地市場店を

訪れたばかりの「vivo daily stand」である。

 

何度も通っていながら今まで気づかなかった。

いや、ガラス張りだから存在どころか、

店内の様子もチラッとのぞいたことさえある。

vivoは店名の表記が控えめすぎなんだヨ。

これじゃ気づかんのも無理はないサ。

 

入店してワンオペのニイさんに訊ねたら

8年前にオープンとのこと。

谷に出入りし始めたのは5年前。

その当時から在ったんだネ。

 

黒ラベルの生2杯、スペインのシェリーと

チリのピノ・ノワールを1杯づつ。

デリはズワイガニのキッシュ1ピース。

たくさん飲むけど、あんまり食べない、

わがライフスタイルにピッタリの店だ。

 

グループは都内に32店もあるので

全店制覇するつもりは毛頭ないが

利用頻度は間違いなく上がるだろう。

さっ、地獄から脱出してそろそろ帰ろっと―。

 

「大連」

 東京都大田区山王1-25-14

 03-3776-7944

 

vivo daily stand 大森店」

 東京都大田区山王2-2-15

 03-6303-8327