ロマンポルノ「ぬけられます」を観る前、
昼めしに珍しいものを食べた。
飛騨名物、朴葉みそ焼きである。
神田駿河台「蔵助」は
都内でも珍しい飛騨居酒屋だ。
12時ちょうどに階段を上がると
小さな女の子連れのママが並んでいた。
席数はそこそこあるけど
四人掛けを一人で占有する客が目立つ。
15分待って窓際に着卓。
ガラスの向こう側に
三井住友海上のデカいビルがで~ん。
別段、ジャマじゃないから問題ない。
ランチメニューは朴葉みそ焼き定食のみ。
飛騨牛(1300円)・豚肉(1100円)・
豚キムチ(1100円)の3種類で
飛騨牛を黒ラベル中瓶とともに通した。
ロマンポルノ同様、
朴葉みそ焼きも人生で一度きり。
1973年初夏のことだから
これまた半世紀を超えている。
ところは本場・高山。
正確にはその奥の白川郷だった。
ひなびた食堂で朴葉焼き定食を食べた。
朴葉の上には肉ナシの味噌だけ。
ずいぶん質素だと思った記憶はあるが
飲んだビールの銘柄は覚えちゃいない。
宿に戻り、TVを点けると
大橋巨泉がMCをこなす「頭の体操」。
当夜のゲストは
せんだみつお、藤村俊二などだ。
鮮明に覚えているのはオヒョイこと藤村。
日本語はたった一文字で
意味が大きく変わるが
”例文を作りなさい” という問題。
彼の解答が奮っていた。
世の中は ”し” の字と ”す” の字の違いにて
武士は日本の鑑、ブスは日本の恥
いや、腹を抱えました。
それはそうと「蔵助」の朴葉みそ焼き。
すでに火が通った飛騨牛を
コンロの朴葉の上で炙るのだが
ヤケにしょっぱい。
生白菜のサラダ、刻んだ赤かぶ漬け、
とろろ昆布の味噌汁、茶碗のごはん。
デザートに栗のカタチをした、
バニラのアイス最中。
朴葉はちっとも香らなかったけど
バランスはよろしく、
しっかり食了いたしました。
「飛騨居酒屋 蔵助」
東京都千代田区駿河台3-5-15
荒井ビル2F
03-3296-3551