2018年9月3日月曜日

第1950話 これがホントの盆踊り (その7)

田園調布の町を歩いている。
昼下がりに来た道を戻っている。
そうして再訪した「ミカド」の灯りに心がなごんだ。
席は8割がた埋まっていたが
5席あるカウンターに空きがあった。

カウンター内はシェフのほかにもう一人オジさん。
あとはマダムと近所のパートらしきオバちゃんが3人。
トータル6名のオペレーションである。
みなさん一様に愛想がいい。

ここでなぜ当店のカツカレーに
惹かれたのか説明しておこう。
作家・吉本ばななが激賞したと聞き及んだからだ。
彼女の小説は読んだことがないが気になった。

「生きているあいだにあと何回、
 ここのカツカレーを食べられるだろうか?」―
そんな文章を書いたらしい。
そうまで言うなら一度ご相伴に与ろう。

スーパードライの中ジョッキとともに
お通しのキャベツ&きゅうりもみが運ばれる。
この小鉢の手造り感がいい。
お替わりしたいくらいのものだ。

注文したロースカツカレーはサラダ付きで1150円。
初めに小さな木製のボウルに盛られたサラダが登場。
キャベツ・レタス・きゅうり・トマト・パセリに
ポテトサラダが一かたまり。

添えられた自家製マヨネーズは甘味が勝っていても
許容範囲内でけして不味くはない。
それどころか女性客には絶大な人気を得ているという。
まっ、女と男の味覚はビミョーに異なるからネ。

カツカレーが整うまでメニューに没頭する。
いや、そりゃちとオーバーだ、集中した。
ザックリ紹介してみよう。

ロースカツ定食(1600円)
ヒレカツ定食(1500円)
豚汁定食・オニオンフライ付き(1200円)
ハヤシライス・サラダ付き(1150円)

カツカレーを食べる前から次回は何にしようかな?
のんきに考えていた。
一番そそられたのは豚汁定食かな。
脇役を主役に据えるからには
それなりの思惑と確固たる自信があるハズだ。

=つづく=