2018年9月19日水曜日

第1962話 やっちゃ場から三角地帯まで (その2)

北新宿は淀橋市場内の「伊勢屋食堂」にて
ビール&つまみを楽しみながら
メニュー吟味の長考に入った。
長考といっても5分少々に過ぎないけど―。

ほう、ケチャップ味のポークソテーねェ。
普段あまり食べない料理を試すとするか―。
フツーにとんかつでもいいんだが、ちょいとひねりを加え、
ついでにケチャップの甘みを賞味しようじゃないか―。

15センチほどの豚クンは7つにカットされていた。
食べやすいサイズだし、付きすぎない脂身がよくて
ビールの友にはピッタリである。
よほどもう1本という気になったが
本日は夕刻より深飲みの予定につき、思いとどまる。

座った小卓の左側は壁、正面も壁、その右が入り口。
視界に入るのは出入りする客ばかりで
音声は聞こえても店内の様子は判らない。
やっちゃ場だけにそうしてる間にも野菜が次々と届く。
大根は釧路、キャベツは長野、冬瓜は三浦半島、
ダジャレじゃなくって茄子は那須。
アハハ、上手くできてるなァ。

食べ終えて大久保から中央線で代々木。
山手線に乗り換え、原宿到着。
この駅の混雑がまたヒドかった。
改札周りなんか待合せのバカ者、もとい、
若者でごった返している。

人並みをかき分けて公園通りに入った。
2ヶ月に1度の理髪のためだ。
馴染みのK子チャンのコリアンの旦那が
店の手伝いを始めており、
近い将来、美容師を目指すという。
言葉のハンデもあろうし、健闘を祈りたい。

本数の少ないコミュニティ・バスの発車時間がせまり、
無理を言ってカットを急がせた末、無事に乗車。
車窓は代々木公園から代々木八幡の景色を映してゆく。
初台と幡ヶ谷の中ほどあたり、幡代で下車した。

夜の約束にはまだ小1時間の余裕がある。
軽く引っかけるつもりで
玉川水道旧水路緑道沿いのワインバーにやって来たら
ありゃあ、臨時休業の札がぶら下がってるヨ。

界隈をウロウロしても始まらないから幡ヶ谷方面に歩く。
見つけたのは甲州街道に面した、とあるカフェバーだ。
店先のポスターによれば、生ビールはキリンのハートランド。
よしっ、ここに決めた!

=つづく=

「伊勢屋食堂」
 東京都新宿区北新宿4-2-1
 03-3364-0456