2021年4月13日火曜日

第2631話 ザ・カップル・フロム・ON (その1)

沖縄県・那覇市から元部下のA子が上京して来た。

会うのは6年ぶり、一緒に飲むのは9年ぶりだ。

下町を希望するので深川の門前仲町にした。

すると、こんなメールが到来。

 

今回のハシゴ酒、ウチの主人を連れて行っても大丈夫ですか?

是非ともJ.C.を紹介したくて。

お邪魔でしたらお留守番しててもらいます(笑)

 

ハハハ、むろんのことに異論はござらん。

森繁主演の東宝映画、

社長シリーズの宴会課長、三木のり平みたいに

 

パアーッとやりましょ、パアーッと!

 

そう、返信してやった。

早めに仕掛け、16時に深川不動の参道入口で落ち合った。

さっそく向かったのは先日、

一人花見のあとにチラッと寄った「魚三酒場 富岡店」。

門仲を代表する大衆酒場だ。

 

1階のカウンターは予想通り、ほぼ満席。

平日のこの時間にこうだもの、人気のほどが判る。

2階どころか3階へ案内され、

入れ込みの座敷の窓際に落ち着いた。

振り返れば今年初の三人飲み、鼎談ならぬ鼎飲である。

 

ドライの大瓶を2本もらい、

互いのグラスを満たし合って乾杯。

かくも長き無沙汰につき、

積もる話はスカイツリーより高いが

つまみの注文を優先した。

 

2・3階は客自身が伝票に書き込むのが当店のルール。

客はそれをうらまないのがルール。

光る砂漠でロール。

夜だけのパラダイス。

ん? どっかで聴いたことあるってか?

そうでぃす、彼女がヘンなオバサン、庄野真代でぃす。

 

二人に好きなモノをドンドン択ばせ、

J.C.が鉛筆を走らせる。

 

赤貝刺し しまあじ刺し、小肌酢 ニラおひたし

シャコ天ぷら ハゼ天ぷら

 

などを通すと、接客のオネバさんが戻り、

シャコは未入荷ときて穴子に変更。

小肌は育ち過ぎたコノシロになると言う。

小肌はいいけど“巨肌”はごめんこうむって

〆サバを代わりにお願いした。

 

またたく間に大瓶2本がカラになり、

一同、芋焼酎のオンザロックスに移行した。

 

=つづく=