2021年4月28日水曜日

第2642話 相盛りのカオマンガイ

1980年代半ば、シンガポールに4年ほど駐在した。

地元のビール、アンカーかタイガーを毎晩飲んだ。

あとはヘネシーやレミーのコニャック水割り。

シンガポールではウイスキーよりブランデーがポピュラー。

日本とは真逆で飲み続けるうち、すっかりブランデー党に―。

 

料理では何といっても海南鶏飯(ハイナンジーファン)。

インディカ米の香りや香菜(シャンツァイ=パクチー)を

まったく受けつけない人にはムリだが

フツーの味覚の持ち主は慣れると必ずハマる。

 

その日の午後、JR神田駅近くにいた。

外出の際は13時過ぎがマイ・ランチタイム。

以前、「FRIDAY」だったかな、昼めしの連載で紹介した、

「東京カオマンガイ」を久々に訪問。

カオマンガイはタイ風海南鶏飯である。

 

おっと、タイのビール、シンハの生があるヨ。

前日、沖縄のオリオンの生を飲んだばかりで今度はタイ。

即刻お願いした。

此処はチキンを蒸し鶏・揚げ鶏・相盛りから択べる。

今は知らないが当時のシンガポールで

揚げ鶏を見かけることはまずなかった。

マレーシアには昔からあったそうだ。

 

ここ数年、シンガポール料理店でも

揚げ鶏を供するようになった。

邪道じゃないかな? ヘンな偏見から回避してきたが

この日は違い、ものは試しと相盛りを選択。

うれしいことに大・中・小とサイズも柔軟、小を通す。

 

蒸し鶏は4種のタレから択べる。

赤―タイの甘味噌・タオチオ

黒―タイの甘い黒醤油・シーユーワン

レモン―ナンプラー入り

岩下の新生姜ダレ―ナンプラー入り

赤をお願いする。

揚げ鶏にはデフォでスイートチリソース。

 

ライスはインディカでなくジャポニカ。

すっきり塩味のスープとともにいただいて満足。

ただ、どちらかといえばシンガポールの海南鶏飯が好き。

黙っていても3種のソースが提供されるしネ。

会計は1420円也。

当店は江東区・木場に2号店がある。

 

夜のための買物は御徒町の「吉池」でするつもり。

あそこへ行けば直営店「味の笛」にて

工場直送のドライ生は必至。

高架下の神田ふれあい通りを抜け、神田川を渡り、

秋葉原の喧騒を逃れておよそ20分。

御徒町のマイ・ブレイクルームに到着した。

 

「東京カオマンガイ 神田店」

 東京都千代田区内神田3-7-8

 03-3255-6055