2021年4月26日月曜日

第2640話 目赤不動の坂の下

ここ1年、ときたま出向く動坂下の交差点。

文京区・千駄木と本駒込、北区・田端が隣接する場所に

行く理由は一つ、輸入食品専門店「Jupiter」での買い物だ。

この日もそうだった。

 

此処に来ると近所で昼めしか昼酌に勤しむのが常。

前回は「動坂食堂」で中華の五目うま煮をつまみに

熱くて持てないカップ酒だった。

 

今回は地元で人気の町中華「新三陽」を初訪問。

半ラーメン&半チャーハンセット(650円)に惹かれたのだ。

ありそうであまりない半々の組合わせ。

近頃は半チャンラーメンですら重く感じることがあり、

半チャン半ラーくらいの量でちょうどいい。

奥村チヨに「中途半端はやめて」なんて言われそうだがネ。

 

平日の12時半、8席のカウンターは満席。

4席×2卓のテーブルに詰めれば相席可能なれど、

このご時世、無茶はできない。

見てるとほとんどの客がチャーハンか五目チャーハンを注文。

回転が速いからほとんど待たず席に着いたものの、

初老の夫婦二人の切盛り、配膳に時間がかかる。

とてもビールを頼める雰囲気じゃないや。

 

ラーメンは半分ながらチャーハンがスゴかった。

他店のフルポーションに匹敵、いや、それ以上かも?

これを完食したら晩酌に禍根を残す。

でも、頑張った。

 

するとラーメンスープがやたらしょっぱく、一口でギヴアップ。

調理を補佐するオバちゃん、かえしの量をフルと間違えたネ。

細打ち麺をさっさと食べ終え、

チャーシュー・玉子・長ねぎ入りのチャーハンに挑む。

こちらも塩気強いが味わいはなかなか、人気ぶりが判る。

 

しかし、とうとうノドの渇きに耐え切れず、ビールをお願い。

中華鍋をあおっていた店主、振り向いて

「サッポロの赤星ラガーと黒ラベル、どっちを?」

へえ~、サッポロ一筋で赤・黒の二択は極めて珍しい。

よほどのサッポロ信奉者かスタンダールの愛読者だろうな。

きゅうり&大根ぬか漬けと

一緒に運ばれた黒ラベルの旨かったこと。

 

動坂下の「Jupiter」で

バローロ テッレ・ダヴィーノ‘18とタイ産香り米を購入した。

たまたま路傍の旧町名由来案内で見たことに

動坂町は坂上に江戸五色(ごしき)不動の一つ、

目赤不動があるためと判明した。

 

それなら不動坂町じゃないかと思われようが

いつの間にやら“不”が省かれたんだと―。

だけどサ、こんな省略の仕方ってありかい?

不真面目→真面目、不整脈→整脈、意味が真逆になっちまう。

 

J.C.がふた月に一ぺん通うヘアサロンは目赤ならぬ、

目黒不動のおひざ元、最寄り駅は東急目黒線。不動前だ。

今後あの駅を“動前”と呼んでやろうかな?

 

「新三陽」

 東京都北区田端2-1-18

 03-3823-0434

 

Jupiter

 東京都文京区本駒込4-41-4

 03-3824-2431