2021年4月21日水曜日

第2637話 ザ・ママ・フロム・CB (その1)

ひと月前、NY帰りの元ママ・A子と

隅田川の向こうの「ひら井」で

どぜう鍋を突ついたことは当欄で書いた。

よもやま話に花を咲かせ、話題がN実に及んだ。

この娘、いや、今となりゃ立派なオネバさんは

いっときNYのクラブ「U」に在籍していたのだ。

 

6年前の春もたけなわ、一緒に花見をして以来、

音信が途絶えたままだったが

懐かしく思い出されて電話を入れたらつながった。

つながれば、飲むか? となるのは必の定なりけり。

 

その夕べは都営新宿線・一之江駅で待合せ。

千葉駅のもっと遠くからJR内房線でやって来る、

彼女のアクセスを考慮して千葉県隣接の江戸川区を択んだ。

 

地上に出ると、珍しく気象庁の予想が当たり、雨。

こちらビニール、あちらシャレオツの雨傘を開く。

初訪の「オステリア・キタッラ」に急いだ。

地元で人気の伊料理店は

狭苦しいほど小ぢんまりしているが女性に歓ばれそう。

 

NY以来、N実と再会したのも浅草のイタリアンだった。

それがちょうど10年前。

「少女(娘だったかな?)はママになっていた」と題し、

これも当欄で紹介した覚えがある。

生意気にその頃からうるさい赤ワイン党になっておった。

 

ハートランドの生とスプマンテで6年ぶりの乾杯。

キャンティ・クラシコ サン・ジュスト‘18

抜栓も同時にお願いしておく。

子育てに翻弄されたが息子は小学6年生になり、

ようやく身の自由を得た由、ご同慶の至りではあるネ。

 

それはそれとしてここんとこ、

NYだGZだと酌交の相手はママばかり。

結局は薬局、今宵も小6のママだった。

会わないうちに未就学の子どもが小6だもんなァ。

お互い歳をとるわけだヨ。

 

入学と同時に始めたバスケット・クラブの送り迎えが

一番大変だったと言う。

 

「1年生でバスケット志望とは珍しい子だな。

 フツーはサッカーとか野球だろ?」

「ううん、択んだのはワタシ」

「ハイ~ッ! 何だって母親が決めるんだヨ」

「だって順番で見守りとかあるでしょ。

 野外は陽射しとか風とかシンドいから室内がいいの」

「ハァ~ッ?」

 

女親ってのは

男が思いもよらないこと考える生きものなんだねェ。

驚いたヨ、まったく。

 

=つづく=