2021年4月16日金曜日

第2634話 大人の渋谷 神泉&円山町 (その2)

三善英史は1972年のデビュー曲、

「雨」がいきなり大ヒットして早くもスターの仲間入り。

「円山・花町・母の町」は3枚目のシングルだ。

 

1954年、彼は円山町の芸者の息子として生を受ける。

その経緯をプロモーションに利用されたこともあり、

好んでこの曲を歌わなくなったようだ。

 

大人の渋谷、円山町を一めぐりした。

15時を回り、道玄坂の「ほていちゃん」も開店したろう。

コーヒーの口直しとガソリン補給を兼ねて向かった。

すると、1階に席はなく2階へ促される。

何だか前夜の「魚三酒場」を思い出す。

開店20分足らずでこうだもの。

 

たった4人しか立てない立ち飲みコーナーに

4人目としてスタンダップし、サッポロ赤星を通した。

赤星はカウンター限定である。

つまみは、かにみそ(190円)と鯨ベーコン(360円)。

どえりゃあ、安いで!。

 

窓際の特等席はセンタービルの真向い。

「サンマルクカフェ」、「ロイヤルホスト」、

アイリッシュ・パブ「ザ・ダブリナーズ」が正面に構えている。

道玄坂を往き来する人の波を見下ろしながら

大瓶をトクトクトク、クイ~ッ! オー・ジーザス!

 

BGMは柏原芳恵の「春なのに」、いいじゃん、いいじゃん。

かにみそは混ざり物を感じるが、さほどあからさまではない。

くじベコは筋っぽく硬い部位もあり、良質とは言いがたい。

まっ、値段が値段だからネ。

 

それにしても渋谷の一等地で廉価な大衆酒場。

コロ助がまん延してるってのに強気だよねェ。

しかもイギリス型(N501Y)の変異株は

従来の中国型よりずっと厄介なんだぜ。

 

BGMが「涙くんさよなら」に替わった。

おりょ、珍しいな、本家本元の坂本九だヨ。

1965年の曲だが、まったくの鳴かず飛ばず。

数ヶ月後、ジョニー・ティロットソンのカバーで大爆発。

失意の九ちゃんが亡くなるのは、この20年後だ。

 

続いて「花嫁」「夢は夜ひらく」「夕べの秘密」

「ひまわり娘」「小さな日記」、昭和歌謡のオン・パレード。

千円札で会計するとオツリのコインが4枚来た。

何なんだ、この安さ、人を驚かすにもほどがある。

立ち飲みは10%オフだから実質無税と同じ。

近所にあったら散歩のたんびに油を売るネ。

 

さくらと一郎の「昭和枯れすすき」に送られて

いざ、学芸大へ。

 

「ほていちゃん 渋谷道玄坂店」

 東京都渋谷区道玄坂2-9-10

 03-6433-7520