先月、トルコの白鳥と小父さんのおかげで
久方ぶりのトルコ料理に接して以来、
ときどきあちら方面の味が恋しくなる。
心の片隅で眠っていた赤ん坊を起こしちゃったみたい。
今回出向いたのは杉並区、メトロ丸の内線・南阿佐ヶ谷。
一昨年夏、JR阿佐ヶ谷駅から続くアーケード、
パールセンターの「らぁ麺
いしばし」で塩らぁ麺のあと、
パール街の奥のすずらん通りで見つけたのが
「地中海料理
Sœurs(スール)」だった。
普通のサイズを半分にカットした、
真四角のショップカードが店頭にあり、
珍しさに惹かれてポケットに1枚キープした。
それを思い出しての訪問である。
2月一番の寒さと予報された日。
コンパクトなメディターレニアン・ビストロは
コロ助による入店制限もあり、中はいっぱい。
テラスに2卓(二人掛け&四人掛け)あって
「そちらなら?」と女店主がつぶやく。
北風ピューピューの店外はごめんこうむりたいが
乗りかかった船だ、思い切って着座する。
彼女、すぐにガスストーブを運んで来てくれた。
4種あるランチメニューを紹介しよう。
A―ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)
B―チュニジアンブリック(揚げラヴィオロ)
C―ムサカ(ナスとミート&ベシャメルソースの重ね焼き)
D―エビ&レモンのクリームパスタ
Bと一緒にギリシャのビール、ミソスを通した。
オリンピック・ブリュワリーの手になる、
ヘレニック(古代ギリシャの)ラガーの原料は
麦芽・ホップ・麦芽糖・水。
好みのスッキリタイプでアルコール度数は5%。
ほどなく外国人カップルが現れてテラスの隣りへ。
イタリア語を話す二人の注文はともにミソス&Bセット。
したがって寒風下の三人は
みな同じものを飲み食いすることとなった。
それにしても時間がかかり過ぎるなァ。
注文から25分後、ようやく配膳された。
皿には主役のドデカいブリック(チュニジアの国民食)。
これには大きくカットされたレモンと
ハリッサ(チュニジアの唐辛子ペースト)が添えられ、
サイドにババガヌーシュ(焼きナスと胡麻のペースト)。
そして自家製パンのセットである。
思わずブリックのサイズに目を見張ったが
濁りのない、つぶらな両の眼(まなこ)は
オー・マイ・ガッ!
さらなる見開きを余儀なくされたのでした。
=つづく=