この日、降り立ったのはJR京浜東北線・大森駅。
相方は銀座のH恵ママである。
しっかし5日間で長時間のサシ飲み3連発ってのは
コロ助襲来以前までさかのぼっても、ちょいと記憶にない。
物事は重なり出すと重なるもんですなァ。
駅で待合わせ、親愛の情を込めてグータッチしたら
よりによって奴サン、運動靴なんか履いてやんの。
似合わねェなァと思い、からかうと
「スニーカーって呼んで―」
「ハイ、ハイ」 と来たもんだ。
アーケードの商店街を抜け、
今しばらく京急・大森海岸駅方面に歩く。
ほどなく漫画「三丁目の夕日」の誌面から
抜け出て来たような町中華「満福」が見えてきた。
今回が2回目で前回は2009年の初秋だった。
ドライの大瓶で6年ぶりの乾杯。
有楽町の国際フォーラムにあった「レバンテ」以来になる。
ビールをガンガン飲んでると
「何か食べものが欲しいんだけど―」―そりゃそうだ。
カニ春巻を通したら本日は春巻&焼売ができないとのこと。
餃子をすすめられたが前回いただいたから今回は、とパス。
名物のハゼ唐揚げも食べたが、こちらは受け入れた。
店主が羽田の海で釣り上げたハゼを下処理して冷凍保存。
よって通年提供できるのだ。
酢豚は相方に却下され、カニ玉で合意に至る。
大きな半月形のカニオムレツがやって来た。
ケチャップを使わない餡が薄味、なかなかよろしい。
もうちょいとカニカニ感があればさらにうれしいが
毎度書くけど、カニは高価だからネ。
中華にせよ洋食にせよ、エビ料理にはエビがたっぷり。
反してカニ料理にはカニがちょっぴり。
これが飲食店の生きる道、まっ、仕方なかんべサ。
大瓶をお替わりして何か軽いものをもう1品。
前回のぬか漬けがよかった。
「お新香ください、調味料かけずに―」
大量の化調に辟易とした記憶がよみがえる。
ところがギッチョン、浅漬けはいつの間にか超古漬けに-。
きゅうりと大根は店内に異臭を放ちまくる。
好き嫌いの少ないJ.C.が一番苦手とするのがコレ。
得意としない琵琶湖の鮒寿司のほうが
まだマシかもしれない。
臭いに追い立てられるようにして、来た道を戻る。
2軒目は煮込みがウリの「蔦八はなれ」だ。
=つづく=
「満福」
東京都大田区大森北2-10-1
03-3764-3858