2021年3月29日月曜日

第2620話 ザ・ウーマン・フロム・GZ (その1)

この日、降り立ったのはJR京浜東北線・大森駅。

相方は銀座のH恵ママである。

しっかし5日間で長時間のサシ飲み3連発ってのは

コロ助襲来以前までさかのぼっても、ちょいと記憶にない。

物事は重なり出すと重なるもんですなァ。

 

駅で待合わせ、親愛の情を込めてグータッチしたら

よりによって奴サン、運動靴なんか履いてやんの。

似合わねェなァと思い、からかうと

「スニーカーって呼んで―」

「ハイ、ハイ」 と来たもんだ。

 

アーケードの商店街を抜け、

今しばらく京急・大森海岸駅方面に歩く。

ほどなく漫画「三丁目の夕日」の誌面から

抜け出て来たような町中華「満福」が見えてきた。

 

今回が2回目で前回は2009年の初秋だった。

ドライの大瓶で6年ぶりの乾杯。

有楽町の国際フォーラムにあった「レバンテ」以来になる。

ビールをガンガン飲んでると

「何か食べものが欲しいんだけど―」―そりゃそうだ。

 

カニ春巻を通したら本日は春巻&焼売ができないとのこと。

餃子をすすめられたが前回いただいたから今回は、とパス。

名物のハゼ唐揚げも食べたが、こちらは受け入れた。

店主が羽田の海で釣り上げたハゼを下処理して冷凍保存。

よって通年提供できるのだ。

 

酢豚は相方に却下され、カニ玉で合意に至る。

大きな半月形のカニオムレツがやって来た。

ケチャップを使わない餡が薄味、なかなかよろしい。

もうちょいとカニカニ感があればさらにうれしいが

毎度書くけど、カニは高価だからネ。

 

中華にせよ洋食にせよ、エビ料理にはエビがたっぷり。

反してカニ料理にはカニがちょっぴり。

これが飲食店の生きる道、まっ、仕方なかんべサ。

 

大瓶をお替わりして何か軽いものをもう1品。

前回のぬか漬けがよかった。

「お新香ください、調味料かけずに―」

大量の化調に辟易とした記憶がよみがえる。

 

ところがギッチョン、浅漬けはいつの間にか超古漬けに-。

きゅうりと大根は店内に異臭を放ちまくる。

好き嫌いの少ないJ.C.が一番苦手とするのがコレ。

得意としない琵琶湖の鮒寿司のほうが

まだマシかもしれない。

 

臭いに追い立てられるようにして、来た道を戻る。

2軒目は煮込みがウリの「蔦八はなれ」だ。

 

=つづく=

 

「満福」

 東京都大田区大森北2-10-1

 03-3764-3858