「TOKYO隅田川ブルーイング」に再度入店。
さっきの女性スタッフに迎えられ、お互い苦笑い。
「ほかに行くとこ、ございませんの?」―
とは訊かれなかったが
ちょいとばかりキマリがみっとも恥ずかしい。
でも、検温されるA子を尻目にJ.C.は検温パスである。
相方はヴァージン、もとい、ヴァイツェン(白ビール)、
当方はエクストラコールド、グラスをカチンと合わせた。
マスク&グラサン外したご尊顔。
おう、おう、変わってないなァ、まだまだ若いねェ。
これなら婚活も順調にいきそうだ。
積もりに積もった、よもやま話は山より高く、
交わす言葉は尽きるところを知らない。
ここでまた偶然の賜物だがA子のメールをもらった翌日。
銀座のクラブのママで現役バリバリのH恵から電話あり。
四半世紀前、J.C.がよく利用したNYのクラブは「U」と「E」。
往時、両店は人気ナンバーワンの座を競い合っていた。
「U」のママがA子、「E」のチーママがH恵だったのだ。
ライバル関係の二人を引き合わせたのはJ.C.。
初顔合わせはゴルフだったと記憶する。
(コロナ禍でどうしてるかなァ?)
H恵の電話のワケだが彼女と最後に飲んだのは6年前。
その1年後に届いたメールを紹介すると、
最近、NYに出張に行かれるお客様が
「U」へ行く事が多いようで
A子ママの話しを聞きます。
一緒にゴルフに行ったのが懐かしいです。
こんな偶然はA子の霊、英霊ならぬA霊が
H恵を呼び寄せたとしか考えられない。
おっと、目の前でまだピンピンしておったわ。
せっかくだから即H恵に電話を入れ、対話を促した。
二人が話すのは二十数年ぶりだろう。
結果、四月には三人で飲み会を催すことに―。
H恵も久しぶりだから四日後のサシ飲みが決定。
17時を回り、店々が開く時間となった。
候補をいくつか示してリクエストを問うと、
さすがだネ、“どぜう”ときやしたヨ。
エンコのどぜうは「飯田屋」でも「駒形どぜう」でもなく
「どぜう
ひら井」にトドメを刺す。
深川・高橋(たかばし)の「伊せ喜」亡きあと、
花のお江戸の一番星はまぎれもなく当店。
さいわい徒歩30秒の超至近距離にある。
「ひら井」の店先に立ち、その凛としたたたずまいに
NYでブイブイ言わせた伝説のママも
少女のようにウットリとするのであった。
=つづく=