2021年3月11日木曜日

第2608話 東大で 入構届を 書かされて

イの一番にお断りしますがサブタイトルにある、

“入構届”はあくまでも“構”であって

“学”ではありまっしぇん。

よって入学ではなく入構であります。

 

その日は前日に朝食用のパンを買い忘れ、

飲みものだけで昼前にはヤサを出たが

玄関でハナシ好きの管理人のオバさんにつかまった。

いいでしょう、いいでしょう、

相変わらず人の好いJ.C.、5分あまり世間話につき合った。

やれやれ。

 

須藤公園の短くもキツい石段を登り、

団子坂の中腹に出て来たが、われながら弱っちいねェ、

そこから下ってってやんの。

さらに不忍通りを南下し、根津の交差点に到達した。

 

進路を西に弥生坂を上り、

暗闇坂を下って東京大学弥生門を抜けようとした。

すると今度は管理人ではなく

警備員のオバちゃんに呼び止められた。

本日は女難の相が出ていたものと思われる。

 

ん? どんな調子かって?

「お若えの、お待ちなせェ・・・」ってな感じ。

まっ、若くもねェけど、立ち止まったら

アレコレと職責を受ける破目に陥ったんだ。

 

此処で入門を拒まれたりしたら

目的地まで大幅な迂回を余儀なくされる。

遠回りは勘弁だから食い下がった末に

一筆書かされたのが、くだんの入構届だったわけです。

再び、やれやれ。

 

=入構届=

入構日時  氏名  用務先

(1)直近14日間の海外渡航歴  有・無

(2)新型コロナウイルス感染症が疑われる以下の症状の有無

 症状1~症状8(詳細を省く)

 

面倒くせェなァと思いつつも実際に記入したのは

入構日時  氏名  用務先

だけであった。

 

A4サイズの入構届を脇の下にはさみ、

中央食堂に寄ってはみたが =Closed=。

そりゃ、そうだなよなァ・・・。

仕方あるまいと、届の“用務先”に明記した、

正門から無事構外へ脱出の巻。

門番の小父さんに向け、この書状が目に入らぬかっ!

なあ~んて、届をかざしながらネ。