イの一番にお断りしますがサブタイトルにある、
“入構届”はあくまでも“構”であって
“学”ではありまっしぇん。
よって入学ではなく入構であります。
その日は前日に朝食用のパンを買い忘れ、
飲みものだけで昼前にはヤサを出たが
玄関でハナシ好きの管理人のオバさんにつかまった。
いいでしょう、いいでしょう、
相変わらず人の好いJ.C.、5分あまり世間話につき合った。
やれやれ。
須藤公園の短くもキツい石段を登り、
団子坂の中腹に出て来たが、われながら弱っちいねェ、
そこから下ってってやんの。
さらに不忍通りを南下し、根津の交差点に到達した。
進路を西に弥生坂を上り、
暗闇坂を下って東京大学弥生門を抜けようとした。
すると今度は管理人ではなく
警備員のオバちゃんに呼び止められた。
本日は女難の相が出ていたものと思われる。
ん? どんな調子かって?
「お若えの、お待ちなせェ・・・」ってな感じ。
まっ、若くもねェけど、立ち止まったら
アレコレと職責を受ける破目に陥ったんだ。
此処で入門を拒まれたりしたら
目的地まで大幅な迂回を余儀なくされる。
遠回りは勘弁だから食い下がった末に
一筆書かされたのが、くだんの入構届だったわけです。
再び、やれやれ。
=入構届=
入構日時 氏名 用務先
(1)直近14日間の海外渡航歴 有・無
(2)新型コロナウイルス感染症が疑われる以下の症状の有無
症状1~症状8(詳細を省く)
面倒くせェなァと思いつつも実際に記入したのは
入構日時 氏名 用務先
だけであった。
A4サイズの入構届を脇の下にはさみ、
中央食堂に寄ってはみたが
=Closed=。
そりゃ、そうだなよなァ・・・。
仕方あるまいと、届の“用務先”に明記した、
正門から無事構外へ脱出の巻。
門番の小父さんに向け、この書状が目に入らぬかっ!
なあ~んて、届をかざしながらネ。