2024年5月17日金曜日

第3538話 寧波料理を懐かしむ

恒例のTBS・NYリユニオン。
舞台は近頃しょっちゅう現れる神田神保町に
古くからある寧波(ニンポー)料理店、
「源来酒家(げんらいしゅか)」。
前回、観音裏「ニュー王将」でお開きの際、
TBS・K原サンの発案で決まった。

10年以上も前に同じ顔ぶれで利用しており、
この味を懐かしむ声が異口同音に上がった。
寧波は杭州を省都とする浙江省、
その第二の都市である。

浙江省の南は福建省、そのまた南は広東省。
みな東シナ海に面しており、海の幸が豊富。
味付けも広東料理に似てアッサリ塩味だ。
寧波料理の第一感は東坡肉(トンポーロー)、
いわゆる豚バラ角煮。
そして知る人ぞ知る、田ウナギである。

実は数日前、店に赴いて献立を決めてきた。
その際、店主の何(フー)さんと
意見の一致を見た田ウナギながら
最近はほとんど手に入らないらしい。
日本の鰻より泥鰌に近いサイズで
デリケートな滋味にあふれている。

スーパードライのエクストラコールドで乾杯。
突き出しというほどではないが
糖衣をまとったカシューナッツがアテとなる。
最初の一皿は冷菜。
湯葉・筍・椎茸の煮合わせ&蒸した鶏胸肉で
湯葉は日本のものより歯応えがあった。

紹興酒の大きな甕が運ばれる。
スタッフのオニジさんが
ルワンダのジェノサイドに使われたような
大ナタを振るってかぶさる石膏を崩した。

何サンに促されてテイスティング。
8年物の東風酒の上澄みは
ス~ッとノドを滑り落ち、
舌に余韻、鼻腔に芳香を残す。
これぞまことの紹興酒なり。

二皿目は北京ダックならぬ北京ピッグ。
アヒルの皮の代わりに叉焼が巻いてある。
ダックより旨いとは云わぬが
これはこれでオツなものだ。

ズワイガニ爪のフライ、
厚揚げ&ピーマンの煮炒め、
小松菜を添えた東坡肉と料理は続き、
締めはふかひれそばのハーフポーション。
皆の衆、満足の様子である。

次回、集うのは11月半ば。
われわれみんな順繰りにNYから
電話出演した「森本毅郎スタンバイ!」が
9000回を迎えるので、その記念パーティー。
その後の二次会に決まった。
赤坂での再会を約し、お開きとなりました。

「源来酒家」
 東京都千代田区神田神保町3-3
 03-3263-0331