中央区・日本橋馬喰町でランチ。
北隣りの台東区・柳橋に棲んでいた頃は
ちょくちょく出没した馬喰町ながら
最近はトンとご無沙汰である。
馬喰(ばくろう)というのは江戸の昔から
牛馬を売買したり、周旋する人たちのこと。
牛馬の値踏みをしたり、
ときには治療までしたという。
もともとは博労町だったところ、
17世紀半ば、正保年間に馬喰町に改称された。
以来、隣接する横山町とともに
問屋街として発展し、現代に至っている。
15年前、夜に一度だけ利用した南インド料理店、
「ダクシン」を久方ぶりに訪問。
1階は喫煙可とあって2階に上がる。
殺風景な1階と違い、2階はログハウス風だ。
ドライの中瓶を通してメニューの吟味。
本日のカレー、南インド定食、
ダクシン・スペシャルなどの中から
ドーサランチ(1250円)をお願いした。
ドーサというのは豆粉を焼いた一種のガレット。
円錐形をしており、
アメリカ・インディアンの移動式住居、
ティピーによく似ている。
いわゆるテントだネ。
喫茶店のウエイトレスが持つような
ステンレスのトレイに乗って登場した。
3種あるカレーから択んだ魚カレーはメカジキ。
ダル(スープ)は玉ねぎ・大根・茄子入り。
キャベツ・にんじん・サニーレタスのサラダには
なぜか和風の胡麻ドレッシングが掛かっていた。
残念ながらジャポニカ米のライスに
デザート代わりのつもりなのか、
甘味のほとんど無いヨーグルト。
そして主役のドーサだが
ドーサだけにこれでドウサ?とばかりドサッ。
自ずとこちらの動作も機敏になるヨ。
テントの中にはインディアンの代わりに
茹でたじゃが芋をスパイスで炒めたものが
棲み着いていた。
ドーサには付き物の副菜なのだ。
支払い時、接客のオジさんに訊ねた。
「ダクシンって何の意味ですか?」
「南インドの街、私は北ですがネ」
「カシミールとか?」
「デリーから来ました」
ネパールやスリランカの料理店は
現地の人が働くケースが多いが
南インドは北インド人で持つという。
どこまでホントか判らんけれど
そういうもんなんですな。
ちなみに千代田区・大手町にも店舗あり。
「DAKSHIN 東日本橋店」
東京都中央区日本橋馬喰町1-12-1
03-3249-9155