2026年8月19日水曜日

第4164話 驟雨に見舞われ 河豚に救われ (その1)

台風のあとはピーカンが
通り相場ながらこの日は違った。
晴れてたかと思うとパラパラ来る。
日暮里駅のエスカレーターを
降りた時にはザア~ッと来た。
あわてて出発間際のバス、
錦糸町行きにシェルターを求めた。

奥浅草で降りよう。
あすこなら目の前は
ひさご通りのアーケード。
雨風を防げるし、
飲み処も見つかるだろう。

到着してもまだ降っている。
通りに2年ほど前にオープンした
カジュアル河豚屋「まん水」。
店頭で品書きをじっくり吟味する。
てっさ(ふぐ刺し)が980円って
ダイジョブだろうか?
安すぎに返って心配になる。

ほかにコレといった店も無い。
河豚で雨宿りもまたオツなもんだ。
初訪だが、よお~し、いてまえ!
店は30前後と思しきアンちゃんが
独りで切り盛りしていた。
速やかにドライ生中を発注。

ボードに書かれたままを記すと
河豚モノはてっさ以外に
ふぐ皮ゆびき(580円)
ふぐから揚げ(680円)
ふぐアラから揚げ(680円)
とらふぐ白子から揚げ(980円)
焼ふぐ(980円)
みなずいぶん安い。

ほかには
真牡蠣(680円)
ハモゆびき(780円)
めひかりから揚げ(680円)
カニクリームコロッケ(380円)
海老フライ(480円)
あさり酒蒸し(680円)
さつまいもスティック(480円)
カレーライス(480円)
といったところ。

最近はあちこちで見掛ける、
真夏の真牡蠣を所望した。
「それは殻付き?」
「ハイ、そうです」
「レモンが欲しいな」
「ウチは紅葉おろしとねぎに
 ポン酢なんですが・・・」
「要らないからレモンだけでー」
「ハイ、判りました」
真夏の真昼に真牡蠣を真面目に
食べるつもりになったのだ。

ん? 何だコレ?
一つの殻に二つの牡蠣が
同居している。
レモンを搾って一つパクリ。
ん、夏牡蠣みたいなネットリ感。
ちょいと匂うじゃないかー。
「オニイさん、悪いけどこりゃ
 食べられんわ、鮮度悪過ぎ!」
「アッ、どうも」
残念ながら真牡蠣は
真っ当じゃなかったのです。

=つづく=