浅草は言問通りと国際通りの交差点そば。
とんかつの老舗「弥生」の引き戸を
久方ぶりに引いた。
初訪問は今世紀初めだったと記憶するが
先代が店の2階から玄関先に転落するという、
不慮の事故で亡くなられ、
何となく足が遠のいていた。
2月初旬に訪れ、
ロースかつ定食の(小)を半ライスでお願い。
ビールは生がドライ。
瓶はサッポロ赤星中瓶かキリンラガー大瓶。
ここは赤い星でー。
小さな冷奴とお新香が出て来た。
奴は白いまんまで
ねぎ・生姜・おかかの類いは一切ナシ。
自慢の豆腐屋から入れてるらしい。
新香はきゅうり&たくあんが1切れづつ。
コンパクトなロースかつは軽い揚げ上がり。
見た目、食味、ともに女性的な感じがする。
少な目のキャベツは
あながち高値のせいだけではあるまい。
ケチッたというよりも
とんかつとのバランスを考えたのだろう。
味噌椀はわかめ&みつばのかき玉だ。
そこそこ美味しくいただき、
あらためてメニューを眺める。
ん? 海の幸定食かァ。
海老・キス・アジ・イカの盛合わせは
ここにカキが加われば文句ナシだが
ぜいたく言わずにまた食べに来ようかな?
と言いながら、しばらくの間、
放ったらかしにするのが J.C.の悪いクセ。
いったい何時になることやら・・・。
と言いながら、此度は翌週に出向いた。
4種の魚介が仲良く同居している。
みんな揃ってキツネ色の中、
アジだけがちょいと色黒である。
海老・キス・イカと食べ進む。
ロースかつ同様に軽いタッチの揚げ上がり。
うん、いいんじゃないかい。
ところが好事魔多しは世の常。
アジがいただけなかった。
火の通り過ぎでコロモがガシガシ。
こんなに揚げなくてもいいんじゃないの?
アジだけは昭和15年創業、
老舗の名が泣いておりました。
「弥生」
東京都台東区浅草3-12-4
03-3873-4743