この日は原節子の「智恵子抄」を観に
神保町シアターへ赴くと
演目が変更されていた。
フィルムの状態が思わしくないらしい。
こんなことは初めてだ。
代替は成瀬巳喜男監督の「めし」。
原作が髙村光太郎から
林芙美子に変わっちまったヨ。
「めし」はすでに観ており、
あまりいい印象がない。
よって今日は映画を回避した。
切符をゲットしたら
界隈で昼めしの予定ながら
ヒマな身体になった。
さあて、何処へ行くとするかな?
都営新宿線の笹塚行きを市ヶ谷で下車。
たった2駅の移動である。
西郷坂を上って訪れたのは
メトロ半蔵門線・半蔵門駅前の「いけだ」。
小ぢんまりとした一軒家のとんかつ屋だ。
時刻は13時半になろうとしていたが
かなりの客入りで卓は埋まっていた。
3席あるカウンターが空いており、
その右端に案内される。
当店のとんかつは二段構え。
フツーの豚(林SPFらしい)と
プライス・アップの Tokyo X 。
二十数年前、X に出逢って惚れ込んだ。
間違いなく美味しい豚に分類される、
類・美豚である。
ロースかつを定食仕立てでお願い。
ごはんは小さな茶碗に軽目だが
お替わりは自由のようだ。
なかなか見目麗しいロースが
繊キャベ・パセリ・ポテサラと登場。
みつば&豆腐の味噌椀に
新香はきゅうり・なす・大根と
高菜漬けがホンのチョッピリ。
X の魅力は滋味たっぷりの脂身。
よって右端の2切れが大好き。
ところが今日はちょいと不満。
火が通り過ぎて肉が硬い。
そしてこれは揚げ手の技術のせいか、
コロモがはがれやすいのだ。
お勘定はドライ大瓶ともども2450円。
店を出ると道の向こうに桜の大木が満開。
美しさに惹かれ、歩み寄って見上げる。
JEMA(日本電機工業会)の敷地内で
桜と電機、そのイメージの落差に
心なしか頬がゆるんだのでした。
「とんかつ いけだ」
東京都千代田区麹町2-14
03-3262-4434