北区の交通の要衝、
王子駅と豊島五団地の中間辺りに
豊島中央通り商店街がある。
寂れ掛けてはいるが
情緒があって好きな道筋だ。
何で北区に豊島があるんだ?
と首を傾げたくなるが
広大な武蔵国豊嶋郡を収めた、
豊島氏由来であるからにして
その地域は豊島区をはるかに上回る。
豊島氏は紀伊の熊野権現を勧請し、
域内に多くの熊野神社を設け、
その総元締めが王子神社だ。
それはそれとして
豊島中央通り商店街の入口近くに
「天八」なる天ぷら屋がある。
この商店街の北の果てには
紀州神社があり、熊野権現の流れを汲む。
暖簾をくぐると右手に数席のカウンター。
左にテーブルが3卓。
先客は5人ほどだったかな?
壁の品書きを見上げたが
目当ての穴子天丼が見当たらない。
揚げ手の店主に
「穴子はないんですか?」
「ありません」
「やめちゃったの?」
「ハイ、やめました」
何でも取引先が変わったとのこと。
天丼&天ぷらのほか、
とんかつ&海老フライもこなす二刀流。
お好みで揚げて貰うことにした。
ドライ中瓶とともに
3尾で500円のメゴチを所望。
おそらく江戸前と思われるが
小ぶりな魚形が好もしい。
続いてキスを1尾。
これも好きなサカナでやはり小ぶりだ。
お好みといっても種は制限され、
あとは海老とイカ、そして野菜だけ。
中瓶をお替わりして海老を1本。
せっかくだから、海老フライも1本。
金2500円をお支払いし、
商店街を突き抜け、紀州神社へ。
せっかくだから、お参りしましょう。
J.C.の日常生活は
”せっかくだから” の繰り返しなりけり。
「天八」
東京都北区3-19-1
03-3919-6716