2025年3月28日金曜日

第3763話 赤坂の 三分坂で 五時間営業

世の中には変わった店があるものだ。
ところは港区・赤坂。
TBS放送センターの裏手に三分坂なる、
短いながらも急勾配の坂がある。
そのふもとに「山ね家」はあった。

階段をトントンと上がった中二階。
中へ入ると女性スタッフに
食券を買うように指示され、
歩み寄って来た彼女に
キャッシュレス・オンリーと告げられた。

スイカしか持たない J.C.が
電子券売機の前でヘジテイトすると
「判りました、ボタンだけ押してください」
言われた通りにして
カウンターに着き、現金清算した。

牡蠣丼定食と一口明太子に
サッポロ黒ラベル小瓶で計2295円也。
定食のドンブリには大粒の牡蠣が5粒と
獅子唐が2本の天ぷら。
甘辛いタレが絡んでいる。

大きなとんすいで来た味噌椀は
シイタケ・マイタケ・シメジ・エノキと
きのこ類のオンパレード。
ごぼう&小松菜の煮びたし。
大根&白菜浅漬けの陣容である。

小瓶をお替わりして美味しくいただいた。
箸袋に
 since 2010 山ね家 
 裏面もご覧ください
とあったので裏面を見たら
店主の山根一洋さんは広島県・広島市出身。
はは~ん、牡蠣は広島産だろうな。
女将の山根芽里さんは茨城県・土浦市出身。

厨房は店主一人きり。
ほかは女性3人で女将は目星がついた。
帰り際、女将に
「高安は残念でしたネ」
「アッ、読んでくれたんですネ
 高安は私の妹と同窓なんです」
「そうなの? 来場所また頑張ろう!」
「ハイッ、ありがどうございます」

当店の営業時間は超変則の10時~15時。
昼が早い代わりに夜はやらない。
赤坂の隠れた名所、三分坂のたもとで
五時間限定の商売とはねェ。
前代未聞とはまさにこのことだ。

坂のたもとには報土寺があって
築地(ついじ)塀が際立つ。
此処には江戸時代の名大関、
雷電為右衛門が眠っている。

同じ信州生まれのよしみ、
お墓の場所が判らないので
本堂に手を合わせて参りました。

「山ね家」
 東京都港区赤坂7-8-1
 03-6277-6743