東急多摩川線・下丸子。
トンデモねェ、爺さんがいるもんだ。
しゃんめェ!
気を取り直して歩く下丸子の町。
しばらくして多摩川線づたいに
隣り駅の鵜の木へ移動した。
さっき車窓から見た町並みが
良さ気だったんでネ。
好きだなァ、こういう商店街。
駅の東側は線路沿いに
多摩堤通りが走るだけだが
西側には可愛い商店街が2本もあるんだ。
ルンルン気分で往ったり来たりした。
界隈で出逢ったのが1軒の鮮魚店。
「魚商 うおき」という。
鵜の木の「うおき」である。
店頭に背子蟹(ズワイ蟹のメス)と
タラバ蟹が何匹か並んでおり、
ひと目で質の良さが伝わってきて
なおかつ、都心よりグッと割安だ。
店内に足を踏み入れた。
さっそく惹かれたのが平目刺し。
一人用のサクがズラリ並んでいる。
みな小さいながらエンガワ付きだ。
気が利いてるねェ。
真鯛・まぐろ・かつおはもとより、
サヨリ・小肌・キスなど小物も揃う。
ウワ~オ!
まっことビックリしたのは
幻のサカナとの出逢いである。
まさかこんなところ(レイシツ!)で
バッタリ出くわすことになろうとは!
何を隠そう、アブラボウズである。
塩鮭の切り身より一回り大きいのが
3~40切れはあるんじゃなかろうか。
鮮魚店でアブラボウズに出逢うのは
J.C.オカザワ、生まれて初めて。
料理される前、
生の状態でこのサカナにお目もじを
許されたのも初めてである。
店主に訊けば、1カ月、いや、2カ月に
一ぺんくらいの入荷だという。
冷凍可能なので4切れも買ってしまった。
ほかに平目1パックとカキフライが6個。
締めて金2750円也。
こいつは春から縁起のいい買い物ができた。
さっそくその晩、煮付けにしたが
その美味たるや筆舌に尽くし難く、
この世の中に煮魚にしたら
これ以上のサカナはございません。
「魚商 うおき」
東京都大田区鵜の木2-15-2
03-6715-2880