2025年3月20日木曜日

第3757話 ♪ 人が割れるのよ ♪

この日は月例の「二人でビールを飲む会」。
ズーとも・白鶴と錦糸町のいつもの喫茶店、
「ニット」で落ち合った。
相方は中瓶を1本弱、当方は2本強飲む。
この日もそうだった。

およそ2時間後、
帰巣してゆく白鶴をバス停まで送り、
さて、これからどうしよう。
雨が降っている。

取り合えずJRの改札を通った。
秋葉原で山手線に乗り換え、
最寄りの日暮里で飲み直す案もあったが
日暮里だと家まで10分は歩く。

お茶の水まで行き、1杯引っ掛けて
千代田線に乗ることにしよう。
ところが、お茶の水という街は
学生にゃいいけど、呑兵衛にゃ適さない。
傘をさしてブラブラしたが収穫はゼロ。

時刻は19時半、あきらめて
常磐線直通我孫子行きに乗ろうとすると
うわ~っ! 何だ、何だ、この混みようは!
朝のラッシュ並みに次から次と
電車が来るにも関わらずヒドい混雑ぶりだ。

J.C.は何が嫌いって人混みが大嫌い。
ニューヨーカーはギュウギュウの地下鉄に
まず乗らないが日本人はお構いなし。
民度の低い民族は困りもんだヨ、ったく。
と言っても乗らなきゃ、会社に遅刻するし、
カミさんの機嫌を損なうし、
まったくもって男はつらいよ。

隣りの湯島で若い娘が降りようとした。
蚊の泣くような声で「降ります」。
誰も聞く耳なんか持っちゃいない。
そこで正義の味方J.C.、
大きな声で「降りますって!」

会釈して彼女は降りてゆき、事なきを得た。
すると入口をふさいでた乗客が何人も
 J.C.を振り向きやがんの。
大声の主はどこのどいつだ? 
と言わんばかりにー。
ケッ、どうなってんだヨ、此の国は?

根津の次はマイ・千駄木。
ところがお茶の水で乗ったのと逆側だから
にっちもさっちもいきまへん。
「すみません」なんて通用しない状況。
仕方なく伝家の宝刀を抜きやした。

「Excuse me !」
これは効いたヨ、スパッと道が開けた。
あたかもモーゼの十戒の如くにー。
日本人は外国人に親切というか、
英語に弱いからネ。

ほうら、天童よしみまで
歌い始めたぜ、「珍島物語」をー。

♪ 人が割れるのよ 道ができるのよ
  中と外とが つながるの
  こちら車内から あちらホームまで
  客の皆様 カムサハムニダ   ♪
   (作詞:J.C.オカザワ)
   (原詞:中山大三郎)

無事、プラットフォームに
抜け出ることができました。
やれやれ。