谷中銀座のキジ夫とキジ子に
心癒されている J.C.。
それが2カ月ほど前のこと。
身体が小さいから子鳩だろうが
ビッコを引く1羽を見つけた。
この子はこれから
生きていけるのだろうか?
無理かも知れないな。
いっちょまえに飛ぶことは
出来るが足元が覚束ない。
ヨッタヨッタ歩くので
ヨタ子と名付けた。
毎日ではないが見掛けると
すぐそばのパン屋、
「ヒトテマ」に駆け込み、
クロワッサンを一つ買う。
ヨタ子を中心に食事の時間。
それが先週のこと、
ヨタ子は彼氏を作りやがった。
嘴と嘴を重ね合う、
いわゆる鳩のくちづけを交わす。
ほうら伊東ゆかりも歌い出す。
♪ あなたの面影 だきしめながら
目ざめる朝の 私はしあわせよ
愛してみて 愛してみて
はじめてわかるのね
あなたのもとへ 届けたい
やわらかい 朝のくちづけ ♪
(作詞:有馬三恵子)
「朝のくちづけ」は
1968年のリリース。
作曲は当時の有馬の夫で
先ごろ亡くなった鈴木淳。
ゆかりのナンバーでは
J.C.が一番好きな曲だが
浪花の小姑はご存じあるまい。
それはそうとヨタ子は
しばらく今の彼氏と
別れる気はないようだ。
まっ、それもよかろう。
温かく見守ってやろう。
検診は丸3時間かかった。
急いで帰宅する。
ソッとダンボールをのぞくと
眠っているのか身動きしない。
おかしいな・・・
いや、そうじゃないヨ、
哀れにもこと切れていた。
外見からは判らなかったが
内臓もやられていたんだろう。
すぐに保健所に運んでやれば
助かっていたかと思うと
胸が痛んだ。
子どもの頃から
ニワトりほどではないにせよ、
鳩は苦手なほうだった。
それが今ではキジバトに限らず、
ドバドですらも可愛いと思う、
J.C.なのであります。
鳩よ、安らかに眠っておくれ!
=おしまい=