2026年8月20日木曜日

第4165話 驟雨に見舞われ 河豚に救われ (その2)

浅草はひさご通り。
「まん水」のカウンターに独り。
せっかくだから
河豚をいただきましょ。

2杯目の生を飲みながら
あらためて品書きを目で追った。
取り合えず、てっさはいっとこ。
通しながら訊ねた。

「白子だけとらふぐを
 名乗ってるってことは
 てっさやから揚げは
 他の河豚ってことなの?」
「いえ、みんなとらふぐですよ」
「よくこんな値段で出せるネ」
「河豚専門の卸業者直営ですから」
「じゃ、浅草の料理屋に
 卸しているわけ?」
「銀座が多いですね」

ふむ、銀座なら高級店ばかりだ。
牡蠣は駄目だったが
河豚は一流なんだろう。
死後硬直がまだ溶けてなく、
コリコリの食感。
うむ、悪かないネ。

もう一品はアラから揚げだ。
「アラってまさか
 内臓じゃないよネ?」
「肩と顔です」

頭じゃなくて顔と来ましたかー。
以前、新聞の読者投稿コラムで
北海道の主婦だったかな?
ある晩、一家3人で
ししゃもを食べていたら
息子が母親につぶやいたそうだ。

「ママとパパはおサカナの
 顔まで食べちゃうの?」
返答に困ったママの投稿。
「その夜は家族揃って
 顔を残しました!」
3杯目の生を飲みつつ、
思い出し笑いの J.C.でした。

ところがこのアラが
ことのほか好かった。
正肉の上を行くくらい。
レモンをたっぷり搾って
しゃぶり尽くす。
肩も顔もバツのグンだった。
お勘定は満足の3840円。
ちなみに卸業者は「満水」。

雨も上がったことだし、
このあと浅草の繁華街、
六区のROX内書店で
旅行ガイドの購入と参ろう。
いずれにしろ、河豚の雨宿りに
深く感謝の巻でした。

「まん水」
 東京都台東区浅草2-17-9
 03-6786-7416