2018年4月10日火曜日

第1846話 ヒョンなことからクスクスを (その1)

谷中霊園で孤独の花見を楽しんだ日。
花見のあと、言問通りを鶯谷方面に歩いていて
目にとまったのが半地下にある1軒の靴店だ。
通りに面して並べられた靴の中に気に入った1足を発見。
これから靴をぶら下げて飲みに行くのはイヤなので
そのままスルーするしかない。

数日後、再訪に及ぶ。
階段を降りてガラス戸を引くと、
店主だか店長だか判らぬが女性が出てきた。
開口一番、
「すみません、婦人ものばかりで―」
「エッ、紳士靴は?」
「ほとんどないんですヨ」
「外に並んでいる靴は?
「え~、あれも24.5までなんですヨ」

ないものは仕方がない。
スッパリとあきらめた。
靴をあきらめると腹が減る。
靴が鳴らずに腹が鳴る。

ところがこの界隈、カフェはあるけど、
食事処がきわめて少ない。
東京藝大に続く道にフレンチがあったが
ランチもコース仕立てでちと重々しい。

言問通りを西下して善光寺坂を下りかかった。
見覚えのあるバー「桃と蓮」の前に
ランチメニューがぶら下がっている。
レギュラーメニューは

オリジナル激辛タイ風カレー
ラムと野菜のクスクス

ほかに週変わりランチとして

豚角煮丼温泉添え
ハンガリー風ロールキャベツ
キーマカレー温泉添え

以上5品が一律900円とある。
細かいことながら卵と玉子は統一してほしいネ。
何となく惹かれたのはクスクス。
しかもラム肉使用だし。
ふ~む、クスクスかァ・・・
しばらく口にしてないなァ。

よお~し、決めた。
これで行こう!

=つづく=