2018年4月30日月曜日

第1860話 「男女6人ピザ物語」 (その1)

死んだ子の歳をいつまでも数えていたって仕方ないから
「三州屋 神田駅前店」にはもう触れない。
忘れよう・・・そう、心に決めた。
それでも近々「三州屋 六本木店」に行こうと思う。
神田の仇を六本木で討つつもりなり。

さて、悲劇の当日。
足立区・五反野の「幸楽」で独りゼロ次会を催したあと、
東京メトロ日比谷線直通の電車に乗った。
到着したのは
どこかに故郷の香りを乗せて列車が続々と入ってくる、
あゝ上野駅であった。

中央通りを南下して
広小路の春日通りを右折、本郷方面に向かって歩く。
小雨がパラつき始めたが
コンビニでビニール傘を買うほどではない。
天神下の交差点を渡り、切通坂を上って行った。

1969年築の分譲マンション、
湯島ハイタウンの前を通り過ぎると、
目前の狭い歩道を3人のバカおんなが横並び。
揃いも揃って傘の花を咲かせてるじゃないの。
ったく、どうしようもねェな。

歩道をはみ出し、車道で歩調を速め、
3人まとめて追い抜いた。
すると、
「あらっ、J.C.!」―
バカに呼び止められる筋合いはないぜ。
そう思って振り返ったら当夜の相方、紅組の3人だった。
やれやれ。

そこから歩くこと十数秒、入店したのは「アランジャルシ」。
界隈では人気の高いピッツェリアである。
ほどなく白組3名も揃って初対面同士の紹介を済ませ、
イタリア産の瓶ビールで乾杯の巻。

軽いアストロ・ナズーロ派と
ややコクのあるモレッティ・ラ・ロッサ派が半々の景色だ。
J.C.は五反野でスーパードライを飲んできたため、
あえてラ・ロッサを。

もう30年以上も前、トレンディ・ドラマの嚆矢と言われる、
「男女7人夏物語」ってのがあったが
今宵は「男女6人ピザ物語」の幕開けである。
ピッツァは大人数でも取り分け安いからネ。

ベツに合コンを企画したんじゃないけれど、
ちょっとした「パンチDEデート」感はなきにしも非ずだ。
いや、こりゃもっと古いや。
調べてみたら45年前の番組だから
ご存じの読者はほとんどおらんでしょうヨ。

=つづく=