2018年4月13日金曜日

第1849話 焼きとん待つこと1時間 (その1)

ふむ、今日は13日の金曜日じゃないか―。
英語圏諸国とフランス、ドイツでは不吉な日である。
これがスペイン語圏になると、13日の火曜、
イタリアでは17日の金曜が忌み日になるそうだ。

わが国では英米同様に13日の金曜が
おおむね不吉と認識されているが
読者のみなさんには
平和にして穏やかな一日が訪れますように―。

柄にもなく良い子ぶっちゃったが、それはそれとして
その夜、出没したのは江東区・亀戸だった。
相方とJR亀戸駅から30分あまり歩き、
丸八通りは丸八橋の南詰、
焼きとんの佳店、「仙台屋」に到着した。

開店の30分後だったが
店先で順番待ちの客が一人たたずんでいる。
四十代と思しき男性だ。
話をしてみると、開店前から行列に並んだものの、
ちょうど彼の前で満席となった由。
これはまたツキのない人だねェ。

「仙台屋」は夫婦と倅、計3人による家族経営。
その倅がオモテに出て来て
申し訳なさそうに状況を説明してくれる。
まだまだ席は空きそうにないとのこと。
待ち客と相方にしばしの対話をうながして
J.C.はその場を離れた。

丸八通りをさらに南下すること10分。
砂町銀座にやって来た。
いつ訪れても活気に満ちて
庶民的な匂いがプンプンする商店街がここ。

手造りシューマイの「サカイ」の店頭では
シューマイを蒸し上げるせいろから湯気が立ち上っている。
この店のシューマイはまことに美味で
横浜の有名店なんか目じゃない。

焼き鳥屋「鳥光」はシャッターが下りていた。
道端の簡易卓で焼き鳥片手に持ち込んだ酒が飲める店。
ツバメ飛び交う夏になったらあらためて再訪するとしよう。
そのときには「サカイ」のシューマイも携えてネ。

「仙台屋」に舞い戻ると進展はまったく見られない。
逆に列は5名ほどに増えた。
最初に入店した客たちは
すでに1時間以上も飲み食いに費やしたわけだ。
その間、誰一人として席を立たない。

どうなってんのヨ、この店は―。
温厚な性格のJ.C.も安倍・麻生&佐川みたいにキレかかる。
おっと、このときまたもや倅がオモテに出て来たぜ。
やっと席にありつけるのかな?

=つづく=