呑ん兵衛オヤジの聖地、神田にやって来た。
もっとも上野・新橋の後塵を拝するようになって
久しいけどネ。
♪ なんだ神田の 明神下で
胸に思案の 胸に思案の 月をみる ♪
銭形平次でお馴染みの神田だが此処はJR駅前。
明神下は直線距離で1キロの北にある。
よって此度は舟木一夫の歌唱にふれず、スルーする。
一昨年の春に「三州屋
駅前店」が消えて以来、
訪れる理由とてなくなった神田ながら
御徒町のマイ・ブレイクルーム、
「味の笛」の支店がガード下にあるので直行する。
この本・支店の生ビールはすばらしい。
アサヒの工場直送だからネ。
立ち飲みでこのレベルは都内に数軒しか存在しない。
ずっと歩いてきたおかげもあって
琥珀色の液体は飛びっきり。
今宵の支店は何がさいわいしたものか、本店の上をいく。
ヘヘ、前日も飲んで来たばかりだから間違いはない。
昼が天丼だっただけに、つまみは何も要らないけれど
最低一品は常識、たこ&九条ねぎのぬたを所望した。
たこ自体は明石や佐島の上物なんてことは全然なく、
西アフリカのモーリタニアだろうが
辛子酢味噌の塩梅よろしく、まことにけっこうだ。
プラコップの生を3杯いただき、はて何処へまいろう。
明神下へでも行ってみようか―。
駅前のガードを潜ろうとして1軒の店先で足が止まった。
「大松」も立ち飲みなんだが立て看板にあった、
“氷見直送の鮮魚”に心惹かれた。
ふらふらっと足を踏み入れると、
仲宗根美樹の「川は流れる」がかかっていた。
富乃宝山のロック、さんま刺身を通す。
すると、このさんまがスゴかった。
ひと月前の末広町「花ぶさ」をりょうがしている。
おろし生姜、小ねぎに加え、半割りすだちにしびれた。
包丁を握る店主はただ者ではござらんな。
剣豪には剣豪が判り申す。誰が剣豪だ! ってか? ハイ、スンマソン。
芋焼酎を一刻者(いっこもん)に切り替え、
コショウダイ(胡椒鯛)のカマ焼きをリクエスト。
いや、マイッたな、これも美味いや。
さんまは北海道だがコショウは富山湾だネ。
菊正樽酒の冷やで締め、勘定は2700円也。
近いうち、また神田に来よう。
生ビールはあっちの水、酒・焼酎はこっちの水。
そうそう御徒町ばかりでとぐろを巻いちゃおられまへん。
「味の笛
神田店」
東京都千代田区鍛冶町2-13-26
03-5294-0141
「立ち飲み
大松」
東京都千代田区鍛冶町2-12-13
03-5295-5470