数週間前、板橋区・小豆沢の「天鈴」を訪れた。
そのとき、量的にムリだと判断して
あきらめたのが穴子天だった。
食後、天ぷらはしばらくいいやと思ったものの、
この手の問題は時が解決してくれる。
穴子、それも丼つゆを吸った天丼仕立てが食べたくなった。
出向いたのは千代田区・平河町。
用がなければ、まず行くことのない土地柄だ。
近くにあるのは国立劇場と城西大学。
箱根駅伝で幾たびも11位に沈み、翌年のシード権を逃した、
悲運の大学を覚えておられる方も多かろう。
「天真」の存在を知ったのは10年以上も以前。
穴子天丼が美味しい店と聞き及んでマークしていたのに
いつの間にやら忘却の彼方、今回が初訪問である。
道路沿いの立て看板を見てみよう。
野菜天丼(1400円) ほたて野菜天丼(1800円)
穴子天丼(2000円) 活海老野菜天丼(2500円)
特製天丼(4000円) 昼コース(6200円) =税別=
ハナから穴子天丼と決めていたので真っ直ぐ玄関に向かうと、
傍らにコンパクトなメニュースタンドがあり、
一箇所だけ表記の違いをみとめる。
穴子天丼が穴子野菜天丼となっていた。
縦・横3席づつ、計6席のL字形カウンター。
縦の一番上に案内された。
天ぷらを揚げる店主の姿が真横から見える位置で
J.C.的にはここがベストポジション、しめしめ。
おしぼりとほうじ茶を運んでくれたのは女将だろうか?
この女性に穴子天丼と穴子野菜天丼は別物かと訊ねると、
質問の意図が判らない様子だ。
そのうち会話に店主が参加してきたものの、
お二人の表情はサンドの富チャンよろしく
(ちょっと何言ってんだか判んない)
そんな感じなのである。
二人は立て看板とメニュースタンドの差異を
認識していないようだった。
とにかく穴子がらみの天丼は
穴子野菜天丼のみと判明し、無条件で所望した。
ビールは中瓶と小瓶、ともにドライの由。
大瓶でもいいくらいだから当然、中瓶をお願いする。
間を置かずに小鉢と香の物が供された。
ゆでたグリーンアスパラの冷製に
フレンチドレッシングが掛けられている。
新香はきゅうり&大根が2切れづつ。
アスパラをビールの友としてグビリ。
うん、美味いネ。
=つづく=