2020年12月10日木曜日

第2543話 穴子が2匹並んでる (その1)

数週間前、板橋区・小豆沢の「天鈴」を訪れた。

そのとき、量的にムリだと判断して

あきらめたのが穴子天だった。

食後、天ぷらはしばらくいいやと思ったものの、

この手の問題は時が解決してくれる。

穴子、それも丼つゆを吸った天丼仕立てが食べたくなった。

 

出向いたのは千代田区・平河町。

用がなければ、まず行くことのない土地柄だ。

近くにあるのは国立劇場と城西大学。

箱根駅伝で幾たびも11位に沈み、翌年のシード権を逃した、

悲運の大学を覚えておられる方も多かろう。

 

「天真」の存在を知ったのは10年以上も以前。

穴子天丼が美味しい店と聞き及んでマークしていたのに

いつの間にやら忘却の彼方、今回が初訪問である。

道路沿いの立て看板を見てみよう。

 

野菜天丼(1400円) ほたて野菜天丼(1800円)

穴子天丼(2000円) 活海老野菜天丼(2500円)

特製天丼(4000円) 昼コース(6200円) =税別=

 

ハナから穴子天丼と決めていたので真っ直ぐ玄関に向かうと、

傍らにコンパクトなメニュースタンドがあり、

一箇所だけ表記の違いをみとめる。

穴子天丼が穴子野菜天丼となっていた。

 

縦・横3席づつ、計6席のL字形カウンター。

縦の一番上に案内された。

天ぷらを揚げる店主の姿が真横から見える位置で

J.C.的にはここがベストポジション、しめしめ。

 

おしぼりとほうじ茶を運んでくれたのは女将だろうか?

この女性に穴子天丼と穴子野菜天丼は別物かと訊ねると、

質問の意図が判らない様子だ。

そのうち会話に店主が参加してきたものの、

お二人の表情はサンドの富チャンよろしく

(ちょっと何言ってんだか判んない)

そんな感じなのである。

二人は立て看板とメニュースタンドの差異を

認識していないようだった。

 

とにかく穴子がらみの天丼は

穴子野菜天丼のみと判明し、無条件で所望した。

ビールは中瓶と小瓶、ともにドライの由。

大瓶でもいいくらいだから当然、中瓶をお願いする。

 

間を置かずに小鉢と香の物が供された。

ゆでたグリーンアスパラの冷製に

フレンチドレッシングが掛けられている。

新香はきゅうり&大根が2切れづつ。

アスパラをビールの友としてグビリ。

うん、美味いネ。

 

=つづく=