2020年12月23日水曜日

第2552話 ささやかな 忘年会は カルテット (その3)

谷中はよみせ通りのカラオケスタジオ「G」。

当店の新型コロナ対策は万全だ。

とはいえ、第3波下で客足は激減している。

数日前、ママからメンバーのひとりに

惨状を報告する電話があった由。

及ばずながら協力と相成った次第なり。

 

30名のキャパに先客は2人だけだった。

1曲ごとに各自、ステージのビニールシートと頭上に

消毒用スプレーを吹きかけ、自らのおしぼりでマイクを拭う。

われわれ4人は同じマイクを使用することにした。

短い滞空時間で忘年会場へ移動する。

 

14時に昼めし食べたばかりで

まだ17時だから4つのストマックはほとんどフル状態。

おいぼれ8人衆みたいにステーキなんかムリ、ムリ。

きゃつらより、ずっと若いのになァ。

 

さっき歩いた諏訪台へと今度は夕やけだんだんを上る。

到着したのは「シャレー スイス ミニ」。

どこがミニなのか理解できないほど

立派なヒュッテ(山小屋)である。

 

チーズ・フォンデュとラクレットのコース仕立てを

2人前づつお願いし、スイスのビール、

ナテュルペルル(天然真珠)で、この日二度目の乾杯。

 

最初に供されたのはサーモン&生ハムのオードヴルと

トマト&レタスのサラダ、そしてなぜかクロワッサン。

スイス人は夜にもクロワッサンを食べるんかいな?

するとこれがバターたっぷりで

一流ブーランジェリー並みの美味しさだった。

 

フォンデュ鍋には白ワインに煮溶けた、

エメンタールとグリュイエール、2種のチーズが―。

細長い二股フォークに刺したパンの小片で

チーズをからめ取り、黒胡椒を振ってパクリ。

おやつ感覚だから胃に余計な負担をかけない。

鍋底に残ったおこげはこそげ取られてサーヴされた。

 

スイスの白ワイン、シャスレ‘18年に切り替える。

シャルドネのようなキレ味に欠けるものの、

甘さが勝つでもなく、そこそこにドライ。

わが舌はかすかな発泡を感知した。

 

ラクレットもスイス製かな?

卓上の天火グリルでおのおのが炙る。

焼け溶けた熱々を茹でじゃが芋に回しかけて味わう。

丸くないからラクレットチーズではないかもしれないが

じゅうぶんに美味しくいただけた。

 

「アルプスの少女ハイジ」に登場した、

ラクレットは当然、男性より女性人気が圧倒的。

みんなパクパクとよく食べること、食べること。

少女にとどまらず、熟女をもまた魅了する。

ともあれ、和気あいあいの忘年会でありました。

 

シー・ユー・オール、イン・ネクスト・イヤー!

 

「シャレー スイス ミニ」

 東京都荒川区西日暮里3-3-12

 03-3822-6033