2024年11月11日月曜日

第3664話 乗り越しの おかげで昔を 思い出し (その2)

「来集軒」の創業は昭和25年。
J.C.より一つ年上である。
初めて訪れたのは昭和53年。
隅田川の花火が復活した年で
「美家古寿司」の初訪問と同じ年。

よく覚えていないが
以前は近所でも別の場所だったと記憶する。
どぜう「飯田屋」の並びだったような・・・。
この店のシューマイとラーメンが好きで
幾度もおジャマした。

それが2010年に訪れた際、
味の劣化を強く実感。
その日のフード・ダイアリーにメモってる。
=あまりの凋落ぶりに評価は急降下=
足が遠のいてしまい、
それ以降は '14年に一度行ったきりだ。

これも何かのめぐり合わせ、
自分をなだめすかして暖簾をくぐると
店内は昔のまんま。
少しも変わるところがない。

左手奥の楕円形大テーブルに着く。
これは単身者向けの相席用なのだ。
さっそくドライの大瓶と
名物のシューマイをお願いした。
接客のオバちゃんに見覚えはない。
10年ぶりじゃ、さもありなん。

シューマイは4カン付け。
片栗粉のつなぎが主張して
豚挽き肉はちょっぴり。
周知のことだから不満はないが
はるか昔はもっと好かったような・・・。
飛鳥山の行きつけと真逆のシューマイ。

練り辛子をチョンと付けてパクリ。
んん? 下味がほとんど感じられない。
卓上の醤油と酢を使ってもピンとこない。
隣りのウスターソースのほうが合うヨ。

ラーメンを麺半分で追加した。
中太ちぢれ麺に濃い醤油スープ。
肩チャーシュー1切れ、
煮しめたようなシナチク、
小さな焼き海苔が1片。
全体的にイマイチである。

壁に貼り出された多くの色紙を眺める。
ほとんどが落語家のそれである。
以前来たときに見た若の里と稀勢の里の
寄せ書きは見つからなかった。
文言は確か、
”いろいろ食べて、ごっちゃんでした”
だったハズ。

向かいに近所のジイさんが座り、
チャーシューメンを注文。
オバちゃんと親しげに言葉を交わすから
常連さんだネ、この人は。

=つづく=