閉店してしまうお店を紹介しても
しょうがないんだけど、
やっぱり放っておけない。
素通り出来ないものがある。
ピアディーナなんか
食べなきゃよかったと思ったりしたが
「PANZEDINA」に寄ったからこそ
「大自然」に間に合ったともいえる。
あらためて品書きを手に取った。
店のオススメは2品で
温かい柚子おろしそばと
そば付きのしらす丼定食。
定食なんざハナからムリだ。
冷たい柚子切りだったら即決ながら
そばは冬でも(温)より(冷)が好き。
まずはビールのアテに
田楽こんにゃく&おしんこを発注した。
こんにゃくの田楽味噌が旨い。
おしんこの陣容は
岩下の新生姜、野沢菜、べったら漬け。
けしておざなりなものではない。
ともに破格の200円から店主の良心が伝わる。
量が少な目なのも J.C.好みだ。
きな粉をまぶしたわらび餅が2粒提供されて
これはデザートだろうネ。
よおし! もう1品いてまえとばかり、
イカソーメンを追加する。
こちらは380円だったかな?
本わさに近い偽わさで登場した。
宮城は塩釜の醸造元・佐浦の手になる、
浦霞の冷たいのを所望すると
しっかり正一合で供された。
どこを取っても閉店が惜しまれるほどに
佳いそば屋さんである。
締めくくりのもりそば(490円)は
中細のそばが皿盛りで出てきた。
薬味はさらしねぎと先刻のわさび。
つゆも気取りのない町場感あふれるもの。
満足してそば湯もちゃんといただいた。
”逢うが別れの始めとは”
歌の文句にあるけれど
出逢いと別れの同時襲来は儚すぎる。
近江敏郎が歌い出すのもむべなるかな。
♪ 逢うが別れの はじめとは
知らぬ私じゃ ないけれど
せつなく残る この思い
知っているのは 磯千鳥 ♪
(作詞:福山たか子)
「別れの磯千鳥」の近江版は
1952年のリリース。
この曲には作詞者の福山たか子と
作曲者のフランシス座波にまつわる、
悲恋が絡むのだが書き始めたら
丸一話を費やしてしまうため、
興味のある方はググッて下さいまし。
「SOBA-HOUSE 大自然」
東京都台東区北上野2-1-14
惜しくも閉店です