牛に引かれて善光寺参りじゃないけれど
そばに引かれてまたもや縁切榎を再々訪。
お相手はアパレル界のやり手・T子サン。
昨夏の「弁天山美家古寿司」以来だ。
板橋区役所近く、仲宿の入口で待ち合わせ。
読書家の彼女はいろいろ読んでいて
「この商店街は森まゆみのお気に入りネ?」
「よく識ってるなァ、その通り」
森まゆみさんはわれ棲む町、
谷根千在住で女王様的存在の作家だ。
再会を祝しての乾杯はキリンラガー。
最初のつまみは
こんにゃくの味噌田楽と焼き油揚げ。
最近はこんにゃくが好きになった。
子どもの頃はこんにゃくなんて
見向きもせずに跨いでたのにネ。
油揚げも素朴でけっこう。
花がつお・海苔・貝割れが載り、
マヨネーズが添えられる。
これだけで恰好の肴になってくれる。
二人してかっぱ割りに移行した。
そば焼酎・白雲郷の水割りに
きゅうりスライスと似非わさびを投入。
そんなに美味いもんでもないが
舌先と目先が変わり、楽しくもある。
鴨の串焼きを塩でお願いすると
鳥肉と見まごうほどに白っぽいけど
味はなかなかだった。
そしてもう一品は
島根県・浜田市の名物、赤天。
さつま揚げみたいだが
蒲鉾のようにきめ細やかな食感。
赤い色は紅しょうがじゃなく、
赤唐辛子の成せる業である。
縁切榎「長寿庵」のつまみは佳品揃い。
締めは榎そばをシェア。
タイトルロールの冷たいそばは
みょうが・おろし・貝割れ・花がつお・
そばの実・海苔・なめたけと具沢山。
そばには珍しいなめたけは瓶詰だろう。
おっと、そうかァ!
ここで初めて気が付いた。
なめたけは早い話がえのきだけ。
榎にかけてるんだ。
枯れた榎の根元によく生える茸なので
榎茸と名付けられた。
スーパーや八百屋で見かける白いのは
即席栽培で自然の物とは違うらしいがネ。
美味しく楽しいひとときを過ごし、
さて、二次会は何処に参ろう。
協議の結果、
巣鴨の地蔵通りに決めました。
「長寿庵」
東京都板橋区本町18-9
03-3961-2421