2013年7月1日月曜日

第610話 マンハッタンからのメール (その2)

この週末のスポーツ界はいいことがなかった。
松山英樹はプロ入り後、初の予選落ち。
ウィンブルドンの錦織は3回戦で敗退。
もちろん伊達のキミちゃんは相手が相手だけに致し方ナシ。
なでしこジャパンはデカさのドイツに惨敗ときたもんだ。

それぞれを短評する。
行きつけの日本そば屋で読んだスポーツ紙には
”松山も人の子”の大見出し。
まっ、そういうことでっしゃろ。
疲れもたまりにたまっているハズだ。

錦織はまだ若いのに満身創痍もいいところ。
腰だのくるぶしだの、あちこち相当悪いらしい。
その結果、さして鋭くもないサービスはWフォウルトの山。
加えてフォアハンドのミス連発ではフルセットの敗戦もやむなし。
一方、40代のキミちゃんにセリーナの肉塊はむごすぎた。
あれじゃキングコングとアン・ダロウ(映画のヒロイン)だわサ。

なでしこは中盤を空けすぎ。
デカドイツにスッ転ばされ続けたチビなでが
Pエリア内では逆の現象を披露した挙句のPK2発。
敵は倒れる場所をちゃあんとわきまえて倒れている。

おっとっと、先週のつづき、マンハッタンからのメールであった。
K美子が働く新店はフレンチの「Lafayette」。
Noho(ヒューストン・ストリートの北側)のLafeyette St.にある。
取り急ぎ貼付されていたNY TIMESのレストラン・レビューを読んだ。

一応、1スターが付いているからケチョンけちょんではないが
けっこう辛口の批評ではあった。
重箱の隅をつつくみたいな細かいのもあって
パンのバスケットが同席した女性の前にドンと置かれ、
あたかもそのすべてを彼女が平らげるごとくであっただとか、
魚介類のメニューで鯛が鱒に代わっているのに
注文するまで説明がなかっただとか、
かなりの文字数のコラムにせよ、
わざわざ指摘するほどのこともないように思えた。

K美子スーシェフが担当するブイヤベースについてはこうあった。

ニューヨーク屈指のブイヤベースもその器(うつわ)のせいで減点。
見映えはいいが非実用的なのだ。
ロブスター、手長海老、ムール貝、アンコウが気前よく使用され、
魚介の出汁はよく出ていて、サフランとパスティスの香りも高い。
ただし、底の浅い銅製のパンにまとめて盛り込まれているため、
素材もスープも数分のうちに冷めてしまう。
願わくば、磁器のボウルで供してほしいものだ。

なるほど、ブイヤベースはあのスープが命だからねェ。
ただ、フランス人や日本人と違い、
アメリカ人はスープよりも具材の魚介に重きを置くことも確か。
シェフのカメリーニとしてはブイヤベースを
スープメニューの中の一品と取られたくなかったのだろう。

ともあれ、著名な料理人の店でプロモートされたのだから
彼女のキャリアに資することは間違いない。
明日にでも過去の努力をたたえ、
今後の精進を励ますメールを送るつもりでいる。
「よくやった、がんばれヨ、また浅草に連れてくからな」ってネ。