2013年7月10日水曜日

第617話 近頃できた行きつけの店 (その1)

「今日のブログがアップされてませんよォ~!」―
友人のメールに促され、出先から戻ったところです。
早起きの方々にはご迷惑をおかけしました。
ごめんなさい。

では、あらためて。
リピーターじゃないから行きつけの店はそう多くはない。
それが近頃、週一は出向く日本そば屋ができた。
ここのところ日本そばネタ続きで恐縮ながら紹介したい。

2ヶ月半ほど前(第564話)に一度取り上げた、
上野は池之端の「新ふじ」である。
明治42年(1909年)創業、100年以上の歴史を誇る老舗だ。
前回は板わさの粉わさびを嘆いたりもしたが
その後、次第に親密度が増した。
初対面ではさほど惹かれなかったのに
だんだんと思いを寄せるようになる、
恋の相手に似ていないこともない。

それではなぜ通うようになったのか。
昼どきのどんぶりとそばのセット(終日食べられる)もさることながら
晩酌(夜は17時半開店)タイムがとても快適なのだ。
昼はかなり立て込むから
四人掛けのテーブルにつくと相席を余儀なくされる。
それではおちおち飲んでられないし、
備え付けのスポーツ新聞に目を通すことすらはばかられる。
界隈じゃそれほどの人気店なんですな。

J.C.にとって池之端というロケーションも寄与している。
上野動物園、並びに不忍池はわが心の楽園、
週に一度、いや二度は出没しますもん。
今は水鳥たちが北へ帰り、
たまさか見掛けるのはカモメとカルガモくらいのもの。
その代わりハチス(蓮のことデス)が開花期を迎えようとしている。
そんなことで上野の山下にやって来ると、
ついつい、足が勝手に「新ふじ」へと向かうようになった。

18時前後に入店し、初めに取る行動はスポーツ新聞の確保。
サッカー日本代表の試合があった翌日なんか、
スポーツ誌を読みに行くようなものだ。
駅のスタンドで買い求め、自宅でゆっくり読めば済むものを
そば屋やラーメン屋で読むほうが
より楽しく感じられるから不思議だ。

これが大衆酒場や大衆食堂だとそうはいかない。
第一、酒場で新聞はルール違反だろう。
隣りとのスペースが狭いから他人様に迷惑をかけてしまう。
食堂は比較的ゆったりとしていても
目の前に何品かつまみが並ぶと、
箸の上げ下げを新聞がジャマすることになる。
スポーツ新聞には一杯のラーメンやそばが一番シックリくるのだ。

=つづく=