2013年7月11日木曜日

第618話 近頃できた行きつけの店 (その2)

上野動物園・池之端門から徒歩1分の「新ふじ」。
実は昨夜もおジャマした。
ここへは昼食より晩酌に訪れることが多い。
夜の営業は17時半からで入店したのは18時過ぎ。
スポーツ誌を手にして二人掛けのテーブルに着く。
生も瓶もビールはスーパードライ、ありがたきかな。

大瓶(650円)をお願いすると柿ピーが一緒に付いてくる。
グラスはごくフツーのコップだ。
地方の駅前の食堂あたりでは
ビールメーカーの名前が入っていたりするヤツ。
ビールにしろサイダーにせよ、このコップで飲むのが一番旨い。
子どもの頃からずっとコレで飲み続けているからネ。

お運びのオネエさん(見ようによってはオバさん)の、
付かず離れずの接客は好感度大。
気が利いていて親切で、余計なことをしないのがよろしい。
町場のそば屋の理想形がここにある。
アルバイトの娘は高校生だろうか?
彼女のたどたどしい働きぶりも初々しくて好もしい。
オネエちゃん、若い頃はそれでいいんだヨ、
高校生のうちに早成しちゃうと、将来ロクな大人にならないからネ。

飲む客が少ないせいか、つまみ類の幅はあまり広くない。
ところが少数精鋭でかなりのレベルに達しているものもある。
カツ皿・牛皿・親子皿、どんぶりのアタマ・トリオはそこそこ。
J.C.の気に入りはもつ煮とニラ玉、あとはもりそばと中華そばだ。

昨夜は初めて注文したニラ肉で大瓶を飲んだ。
豚肉とニラに玉ねぎ入り
ニラ玉はニラと玉子だけだが、こちらは玉ねぎが名脇役。
でもどちらか選ぶとなれば、ニラ玉のほうだろう。

ニラレバが好物だから、よく町の中華屋で頼む。
すると豚レバーとニラのほかにモヤシがドッサリなんて
どうしようもない代物に出会うことが少なくない。
安価なモヤシでボリュームを出す、許しがたき所業と言えよう。

締めは中華そばにした。
昔から日本そば屋の中華そばは当たり!が多い。
「新ふじ」もご多分にもれず、モロに命中である。
これが正統派の中華そば
よき眺めでござるなァ。
見ていて飽きないヨ。
飽きないがずっと見ていると
そばがノビるので速やかに取り掛かる。
麺にはしっかりコシが残り、
和風にすぎるスープはちょいと甘いが、あと味もスッキリ。
いや、実にけっこう。

何だって今の若者は
豚骨臭いのや魚粉臭いラーメンに夢中なんだろう。
ああいうのはおよそ真っ当な人間の食いものではない。
それにつけ麺っていったい何だ?
バカみたいに量が多いだけで旨くもなんともないぜ。
若いうちからつけ麺なんか食ってると
行く先の人生にツケが回ってくるのになァ。
知らぬは本人ばかりなりけり、ってネ。

「新ふじ」
 東京都台東区池之端2-8-4
 03-3821-3913