2021年5月17日月曜日

第2655話 セピア色した 中華そば (その1)

ここ数ヶ月、とりわけ5月に入ってからは

自由になる時間が格段に増えた。

10年近くブランクのあったTSUTAYAに出向き、

あらためて会員登録をする。

 

するとTカードを発行されてこれが会員証。

TカードはTSUTAYA発祥だったんだねェ。

すっかり忘れていたが遅ればせながら再確認。

 

取りあえずDVDを旧作ばかり3枚借りて近所でランチ。

訪れたのは西日暮里店だから

「はってん食堂」がなじみだが

ビールを飲めないのに行っても意味がない。

 

東北本線のガード下に店頭メニューの写真が

旨そうな中華そば屋があり、繁盛している様子。

吸い込まれるようにして「伊蔵八 本店」に入った。

選択肢は五つ。

 

中華そば 鶏の濁りそば 比内地鶏だしの中華そば

つけそば 麻婆豆腐ライス

 

どの店でも初訪問時は正統派の中華そばを注文する。

つけそばを食べる習慣はないし、

麻婆豆腐に惹かれることもない。

鶏の出汁は大好きだが、やはり初回なので見送った。

 

整ったどんぶりを一目見て、さかなクンじゃないがギョ、ギョ。

スープの色にびっくりしたのでギョざいます。

イカスミでも溶かし入れたようにセピア色だ。

すかさず郷ひろみが歌い出した。

 

♪   “セピア色した映画が好き

   やさしくて哀しい愛があるから―“

   スクリーン見つめて 濡れたその頬を

   僕の肩に 押しあてていたね  ♪

      (作詞:山川啓介)

 

バーティ・ヒギンズの「カサブランカ」をカバーした、

「哀愁のカサブランカ」は1982年4月のリリース。

ここから郷ひろみの洋楽カバーが始まる。

 

それはおいといて、熱いスープを一匙すすった。

ファースト・アタックはまぎれもない魚介。

続いて鶏・豚・椎茸・昆布の絡み合いらしいが

何とも複雑怪奇、思わずウッときた。

コレは好きじゃないな、失敗しちゃったな。

 

中細ストレート麺をリフトアップする前に

卓上の黒胡椒で臭い消しを図ると少しはマシになった。

気を取り直して麺に取りかかる。

おう、おう、こりゃずいぶんと固茹でだゾ。

 

=つづく=