2019年1月9日水曜日

第2042話 コッペとカレイとムール貝

渋谷区・笹塚の観音通り。
思いもかけぬ「常盤食堂」の閉業を目の当たりにして
きゅうきょ方針を転換した。
駅前のクイーンズ伊勢丹で何か買って帰ろう。
今宵は家でおとなしく飲もう。

その前に立ち寄ったのが「パンの田島」。
ここ数年、人気復活したコッペパン。
そのサンドイッチをウリとする店だ。
海老カツコッペ、ピロシキ、ビーフシチューパンを購入した。
カレーパンのカレーの代わりに
ビーフシチューを詰めた揚げパンは珍しい。
翌日に食べると、いずれも水準以上であった。

クイーンズではまず最初にベーコンとヴァイスヴルスト。
ヴァイスヴルストはミュンヘン名物の細挽き白ソーセージ。
茹でたところを蜂蜜入りのマスタードで食するのが美味。
J.C.はウインナーでも粗挽きより細挽を好む。

あまり見掛けぬムール貝を発見。
宮城産とあったから、おそらく養殖モノだろう。
迷わずマイ・バスケットへ。

どこの産だったか? 真子ガレイも買い求めた。
三陸か常磐だったように記憶するものの、
目がカレイの腹からはみ出た白子に釘付けとなり、
産地の確認に気が回らなかったのだ。
真子ガレイと呼ばれるくらいだから真子持ちはなじみ深い。
でも、白子持ちは滅多にお目にかかれない。
即売ならぬ”即買”でありましたネ。

帰宅後、キッチンに立ち、
ムール貝はガーリックとパセリを効かせて白ワイン蒸し。
いわゆるマリニエールにしてみた。
というか、ムールの料理はこれが王道。
パエリャには欠かせない食材だが
他のスタイルはすべて亜流じゃなかろうか。

カレイは小麦粉をはたいてムニエル。
買い置きの白ワインがシャブリしかなく、
もったいなかったけれど、
ちょいとばかりぜいたくして存分に楽しむ。

カレイの上半身、というより黒皮の背側は
レモンを搾っていただく。
そうしてから中骨を外し、
白皮の腹側はマリニエールの煮汁を煮詰め、
たっぷりと回しかけて味わった。

もしも「常盤食堂」が健在であったなら
ハムサラダをつまみながらビールを飲んでいたろうに―。

「パンの田島 笹塚店」
 東京都渋谷区笹塚1-22-2
 03-5454-2510

「クイーンズ伊勢丹 笹塚店」
 東京都渋谷区笹塚1-48-14 笹塚ショッピングモールB1
 03-3485-1251