2019年1月24日木曜日

第2053話 田園調布に泡が立つ! (その3)

大田区・田園調布の「メッツゲライ ササキ」。
"佐々木精肉店"に来ている。
ハム・ベーコン・ソーセージのうち、
ソーセージ、いわゆるヴルストに狙いを定めた。

以前は珍しかったミュンヘン名物、
ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)は最近、
あちらこちらでちょくちょく見かけるようになった。
わが屋の冷蔵庫にも
ローマイヤ製が4本ほど眠っている。
これは蜂蜜入りのハニーマスタードで食すると美味。

そんなこってブラートヴルストを選択。
ドイツでヴルストはゆでられることが多いけれど、
これは焼かれて供される。
それも焦げ目が付くほどに―。

食感の妙を愛でるために1本を
ナイフで半分は縦切り、残りは横切りにして
マスタードとともに味わうと、
まあ、標準的な美味しさでありました。

エーデルピルスをお替わり。
グラスには再び泡が立っている。
田園調布に・・・ハハ、やめときます。
相方は泡をながめつつ、チリ産のシャルドネを通した。

それぞれの料理はポーション小さめ、
価格抑えめにつき、何かもう1皿ほしい。
メニューを開く代わりに
ショーケースから択ぶことにした。
早いハナシがハナからそうすりゃ、
手間が省けたんだがネ。

おっと、フロマージュ・ド・テットがあるじゃないか。
直訳すれば、頭のチーズである。
頭のチーズ? 何のこっちゃい?
そう訝しがる向きもありましょう。

直感的に豚の脳みそを連想させるが
豚の頭部、いわゆるカシラを使用したゼリー寄せで
和食の煮凝りを想像していただきたい。
スライスされて運ばれた形状は
テリーヌやパテ・ド・カンパーニュに限りなく近い。

当店はゼラチンを使用せず、
豚のコラーゲンだけで固めてある。
添え忘れたか、マスタードがないため、お願いしたら
プレーンと粒入りが届き、粒入りでいただいて、なかなか。

軽めのランチの会計は飲みもの4杯を含め、6千円弱。
やはり田園調布プライスであった。
冬の陽射しのなか、隣り街の自由が丘へ歩いて行きました。

=おしまい=

「メッツゲライ ササキ」
 東京都大田区田園調布3-1-3
 03-5755-5971