2019年1月25日金曜日

第2054話 ヘンな駅だヨ 都立大学 (その1)

目黒区・自由ヶ丘で午後の数時間をやり過ごしたあと、
空腹感があまりないため、ちょい飲み、ちょい食べに向かう。
目星をつけておいたのは
隣り町の同区・中根にある日本そば屋だ。

折悪しく降り出した雨のせいで徒歩移動を断念。
東急東横線に乗って行った。
それにしても都立大学とは奇妙な駅名じゃないか。
隣りの学芸大学もそうだが、ともにとっくの昔に
大学は移転しており、現地に残っていない。
都立大学にいたっては名称が首都大学に変わったこともあり、
レゾンデートルをまったく見い出せない。
もっとも来年4月、大学名は元の都立大学に戻るらしい。

1999年に駅名改称の賛否を問うアンケートが
近隣住民によって行われた。
結果は改称賛成派が優位を占めたものの、
3分の2に達しなかったため、見送られたという。

J.C.的には昭和2年、駅開業時の柿の木坂駅が
一番だと思いますがネ。
ん? 自由ヶ丘ゲートウェイでどうだってか?
馬鹿言ってんじゃありやせんヨ。

まっ、そんなこたあ、東急と地元に任せておくとして
到着した「利き蕎麦 存ぶん」は
”ニューヨークコーナー161”などという、
トンデモない名前を持つビルの2階にあった。
余計なお世話だろうが、どうもこの近辺の人は
ことネーミングに関してセンスレスもいいとこですなァ。

身体が冷えており、いきなり群馬泉の上燗を注文した。
突き出しの梅くらげはもちろん既製品である。
当夜のオススメ品から皮のアル・ナシを確かめ、
皮付きと聞いてべったら漬けを通す。
東京名物のこの大根漬けは皮付きに限る。
パリパリとした感触が
前歯、奥歯、はては糸切り歯までも歓ばせる。

白いかの沖漬け、帆立とごぼうのかき揚げもお願い。
小ぶりの白いかを丸のまんま漬け込んだ沖漬けはヒット。
歯の当たりが柔らかく、滋味に秀でている。
かき揚げはダブル主役の帆立・ごぼうより、
玉ねぎの甘みが口内に拡がり、
脇役が主役を食ったカタチで高水準をキープしていた。

銚子をお替わりし、早くも締めのそばである。
3種から2種択べる二色せいろは
チョコレート色の十割そばと
ほんのりレモンイエローの柚子切りで―。

どちらも濃厚な風味に乏しいものの、噛み締め感は出色。
そば湯までしっかりいただいて滞在時間は1時間足らず。
これから近所のスナック雑居ビルを物色し、
佳店を見つけて飲み直すつもりなのだ。
目黒区・都立大学はホームタウンから遠いため、
早め早めに仕掛けないとネ。

=つづく=

「利き蕎麦 存ぶん」
 東京都目黒区中根1-6-1
 03-3724-3881