2013年9月6日金曜日

第659話 下北に佳店あり (その2)

エコノミスト・フタちゃん推奨の下北沢「山角」にいる。
生ビールを飲みつつ、品書きを見つめている。
お通しには茹でた殻つき南京豆が出てきた。
コレ、あんまり好きじゃないんだよねェ。
ピーナッツはカリッと香ばしくなきゃイカンと思うんだけど、
誰の発案か、十数年前に突如現れた。

この店は妙齢の(?)女性ばかりが
三人で切盛りする定食屋を兼ねた居酒屋。
浅い時間は食事を取る客が多く、
深い時間になると酒を飲む客が増える。
もちろんその逆もアリである。

手元に拝借してきたペラペラB5の品書きがあるので
ちょいと紹介してみたい。
J.C.は飯を食いに来たんじゃなく、酒を飲みに来た。
よって酒の肴を中心に
枝豆・トマト・うるめいわしみたいな、すぐ出る定番は割愛する。
おっと、もう紹介しちまったか。

 さば塩焼き 600  さば味噌煮 650  あじ南蛮漬 600
 銀ダラ甘酢あん 680  たこぶつ 420  子持ちししゃも 480
 桜海老と蓮根シューマイ 600  ピータンとザーサイ白和え 450 
 谷中しょうが 380  セロリ浅漬 350  水茄子漬 350  
 ポテトサラダ 250  ブロッコリー・ガーリック炒め 500  
 揚げなすポン酢 400  ニラユッケ 380  春菊ナムル 380  
 生ピーマンとつくね 450  砂肝ポン酢 380  豚キムチ 580
 鶏とじゃが芋ゴルゴンゾラソース 580  タン串1本 180
 クリームコロッケ 650  ハムカツ1枚 250 2枚 480

まっ、ザッとこんなところだ。
さすがに女性の仕切る店、野菜がふんだんに使われている。
野菜類を赤字表記にした。

注文品は最初にポテトサラダ、居酒屋でよく見掛けるメニューだ。
ときには出来合いの半端モンを出す駄店に出くわすが
当店のは玉ねぎがいっぱい入って辛味がよいアクセント。
これをテイクアウトして食パンにはさんだら
立派なサンドイッチが出来上がる。
さだめし旨かろうて。

生中をとっくに飲み干し、続いて頼んだ中瓶も底をついた。
ここでお願いしたのが黒ホッピー。
下町の大衆酒場じゃおなじみの炭酸飲料である。
黒ラベル生、黒ラベル瓶、そして黒ホッピーと
まっこと今夜は黒づくめじゃないか。
これに白いネクタイを締めたら
ちょいとした暗黒街の顔役だヨ、まったく。

ホッピーはそのまま飲むんじゃなくて、焼酎に注ぎ割って飲む。
このとき風味豊かなぜいたく焼酎ではいけない。
俗に甲類と呼ばれる廉価なヤツがピタリと合うのだ。

=つづく=