2013年9月24日火曜日

第671話 柴又へご案内 (その2)

寅さん映画で一躍有名になった葛飾・柴又、
帝釈天参道の「門前とらや」にいる。
映画とお寺のダブルご利益により、
商売繁盛なのは百も承知の上での入店だ。

当然、すんなり草団子だが、その前にビール。
「大瓶を1本、よく冷えてるヤツお願い!」―
釘を刺したのはぬるいのを出されると取り返しがつかないから。
「よく冷えてますっ!」―
お運びのオネエさんにキッパリ言い切られ、
なんだか叱責されてるみたい。
グラスを合わせると実によく冷えており、申し分なかった。
大瓶は650円、観光地プレミアムとは無縁だ。

ところが肝心の草団子(300円)が駄目。
見るからにおざなり
たかだか300円だからと言っちゃあ、おしまいヨ。
日本全国から訪れる人々をガッカリさせてほしくない。
緑色がドギツすぎて味も感心しなかった。
旨くもない餡子の絶対量が足りないので醤油を垂らし、
ビールのつまみに転用を試みるも、あえなく失敗の巻である。

N藤サンが注文したかき氷の抹茶ミルク(600円)もさえなかった。
初めは氷ミルクを所望したのに作れないとの釈明。
抹茶と抹茶ミルクはあるがミルクはできないらしい。
おいしそうには見えず
案の定、彼女は途中でギブアップ、やれやれ。

映画の「とらや」とは裏腹にメニューがカバーする範囲は広い。
各種うどん・そばに中華系は広東メンや角煮メンまでこなす。
ごはんモノも天丼・親子丼・カレーライス・オムライスなどなど。
なぜかカツ丼だけはなかったけれど・・・。

不完全燃焼のまま、店をあとにした。
まだ陽は高く、時間はじゅうぶんにある。
かといってこれ以上訪れる場所が柴又にあるワケもなく、
相方の意向を質すと、またもや意外な答えが戻ってきた。
葛飾のディープタウン・京成立石だとサ。

でもって行きました、行ったはいいが
目当ての「宇ち多゛」も「ミツワ」も「蘭州」もすべて休み。
やっとこサ見つけたのが「えびすや食堂」。
ここではメンチカツとマカロニグラタンで生ビールを。
洋食系もこなす店だが実態は食堂より居酒屋。
料理は洋食屋のように大きなプレートで来るのではなく、
あくまでもおつまみサイズだ。
いや、酒飲みにはこれでじゅうぶん。

柴又みたいに人を吸引するランドマークは皆無。
なのに昼日中から飲む客が多い立石。
明るいうちは柴又で過ごし、夜の帳が降りたら立石。
それが正しい京成電車の使い方なのだ。

「門前とらや」
 東京都葛飾区柴又7-7-5
 03-3659-8111

「えびすや食堂」
 東京都葛飾区立石1-15-1
 電話ナシ