2軒目は入谷の「スギウラベーカリー」。
店員のオネバさんによれば、
戦前は四谷にあったが戦災で焼け出され、
いったん閉じて戦後まもなく当地で復活。
調理パン・・・コロッケパン
菓子パン・・・甘食
バーガーみたいな形のコロッケパンは
素朴なコロッケが魅力。
挽き肉なんぞほとんど見当たらず、
あくまでもどこまでも芋々しい。
この潔き、いもいもしさを
いまいましいと思う人は
”昔のパン屋” にゃ向かない人である。
パン業界の絶滅危惧種、
甘食が命を継いでいた。
西表島のヤマネコさながらにー。
この甘食がまた素朴以外の何物でもない。
今の子どもや女性にゃもの足りなかろう。
でもネ、昭和30年代に子どもだった世代は
100円でタイムマシンに乗れてしまうのだ。
此処にも三色パンがあって、
あんこ・クリーム、そしてもう1種は
具こそ入っていないが
レーズンを練り込んだぶどうパン。
3軒目「リバティ」は谷根千の一画、
谷中よみせ通りで創業40年に及ぶ。
調理パン・・・メキシカンオニオン
菓子パン・・・谷中うぐいす
「どうしてこのパン、メキシカン?」
オバちゃんに訊ねたら
「けっこう辛い味だからネ」
ちょっと何言ってんのかよく判らないが
今まで気に留めなかったことを
意識しながら味わうと、
なるほど辛味が押し寄せてきた。
玉ねぎたっぷりのマヨ・クリーム味。
オニオン好きにはたまらない。
以前は人気を博した分厚いカツサンドが
商品棚から消え失せた。
「最近、カツサンド見ないネ」
「もう5年くらい前にやめちゃったの」
理由は訊かなかったが悩みがあるのだろう。
谷中うぐいすは素敵なネーミング。
いわゆるうぐいす色のあんパンだ。
「グリーンピースだよネ?」
「グリーンビーンズなの」
この人の返事はいつも
何言ってんのか判らない。
それでもほど良い甘さにシットリ食感。
奥様方には大人気である。
ちなみに当店の一番人気は
あふれんばかりのレーズン入りぶどうパン。
みなさん予約して買いに来る。
たまたまベスト3の所在地は
みな台東区になった。
だから好きだヨ、台東区。
あらたなお店を探し続ける日々。
J.C.は今日もまた
♪ 昔のパン屋で買ってます ♪
「シミズパン」
東京都台東区東上野6-27-7
03-3841-1862
「スギウラベーカリー」
東京都台東区入谷1-1-9
03-3873-0875
「リバティ」
東京都台東区谷中3-2-10
03-3823-0445