2024年10月16日水曜日

第3646話 「ときわ」の流れに「さくら」咲く

前話で「動坂ときわ」を紹介したが
都内に「ときわ食堂」は数多ある。
その中で最大の繁盛店は
お婆ちゃんの原宿こと、
巣鴨とげ抜き地蔵通りの「巣鴨ときわ食堂」。
地元豊島区を中心に何店も展開する。

その「ときわ食堂」から暖簾分けしたのが
道灌山下の「さくら食堂」。
ベトナム人だか、ミャンマー人だか、
巣鴨で修業した若者二人で開いたと聞くが
詳しいことは知らない。

「ときわ」の売り物、ハーフポーションが
無いのは残念だが「さくら」の長所は
13~18時までのハッピーアワー。
ドライ中瓶が590円 → 490円といった塩梅で
呑み助にはとてもありがたい。

近所だから何度か訪れている。
この日もハッピー狙いで13時過ぎに入店。
「ときわ」には無いメニュー、
ホルモン炒めを中瓶とともに発注した。

エッ? これがホルモン炒めかい?
どう見てももつ煮込み炒めだろ!
煮込んだ豚モツにコンニャクたっぷり。
あとはニラ・にんじん・白菜・キクラゲ。
見た目もドス黒くて気色悪い。

日本人の発想から遠くかけ離れている。
あ~あ、やっちまっただヨ。
渋々つまんだものの、
味イマイチにして食感もよくない。
これなら煮込みのままでいいじゃん。
何だってイジクり壊すんだい。

気を取り直し、白鶴の冷酒をー。
Zooとも・白鶴の白い顔を思い出し出し、
グラスを口元に運んだ。
周りを見渡すと食事客ばかりで
飲んでる客はほとんどいない。

そうだヨ、此処は文京区・千駄木三丁目。
台東区・谷中、荒川区・西日暮里、
北区・田端との区界(くざかい)だが
レッキとした文京区はまたの名を文教区。
昼間から酒を飲む習慣などないんだ。

つくづく思い知ったが、ちと待てヨ。
同じ文京区で前話の「動坂ときわ」じゃ、
みなさん揃って飲んでるな。
この違いはいったい、
どこから来るのでしょう? 不思議!

「さくら食堂」
 東京都文京区千駄木3-50-15
 03-5809-0953