日暮里から亀戸行きのバスに乗って
東向島広小路で下車。
向島百花園の一つ先だ。
水戸街道を南へ歩く。
御堂筋を南に歩いた欧陽菲菲みたいにネ。
行き着いたのは「洋食あきら」。
老夫婦二人きりの切り盛りである。
歴史を感じさせる店内で
壁のメニューを見上げた。
ドライの中瓶を飲みながら
エスカロップとカニコロッケの盛合わせをー。
「ハイ、13番ですネ?」ーマダムの応答。
ホントだ、料理にはみな番号がふられている。
先客はカップル1組に
ママともたちの子連れ5人組。
エスカロップは北海道・根室のご当地名物。
あまり知られてないんじゃないかな?
何でも根室の洋食屋「モンブラン」が
’60年代に売り始めたとかー。
いわゆる肉の薄切りのことである。
と言っても生姜焼きみたいに薄くはなく
ポークソテーくらいの厚さがある。
語源はイタリア語のスカロッピーネだろう。
北イタリアの人々の大好物は間違いなく
仔牛のスカロッピーネ。
東京ではめったに
お目に掛からない仔牛だけどネ。
調ったプレートには
ソテーではなくパン粉を付けて揚げたカツ。
う~む、好いじゃないの。
カニコロもカニカニしさにあふれた逸品。
付合せは繊キャベ&ポテサラ。
豆腐の味噌汁にライスはやや少なめ。
思いっきり満足した。
2100円の会計時、マダムに訊いてみた。
「お店の名前のあきらサンって 旦那サンのお名前ですか?」
「ええ、そうなんです」
「だから小林旭に似てるんですネ」
すると店主が厨房から顔を出し、
「いや、いや、ウヒャヒャヒャ!」
おやおや、うれしそうに破顔一笑。
こいつは秋口から歓ばせちまったな。
まっ、昔から年寄りをイジクるのは
お手のモンの J.C.だからネ。
ん? オメエだって年寄りだろがっ!
ってか?
こりゃまたシツレイしました。
とにもかくにも
「洋食あきら」は昔の名前で出てました。
「洋食あきら」
東京都墨田区向島4-5-7
03-3625-9481